米中協議の対応に苦慮する中国の姿から分かること

「香港人権法」の成立に対して、中国報道官は「中国は必ず報復措置をとる」とすかさず表明。

 しかし、記者が「報復措置はどのような内容でいつやるのか」と質問したところ、報道官は5秒間ほど下を向いたまま、沈黙が続いたのが印象的でした。米中協議の一部合意を前にして対応に苦慮している中国の状況を垣間見たようなニュース映像でした。

 中国はその後、報復措置として、米軍の艦船が香港に寄港するのを当面禁止すると発表しました。この香港寄港拒否は、過去何度も実施されています。直近でも中国は8月にも米艦の香港寄港を拒絶しています。過去の入港拒否では中国側が発表しなかったケースが多かったのですが、今回は内外に宣言し、米国をけん制する政治的メッセージを出す狙いがあったとみられます。中国サイドからも大詰めを迎えている米国との貿易協議への影響を回避させたい思惑がにじみ出ているのを感じます。