NYダウは過去30年、日経平均を上回るパフォーマンスを実現

 NYダウが強く、日経平均が弱いのは、今に始まったことではありません。日経平均が、バブル相場で最高値(3万8,915円)をつけた1989年12月末から比較すると、日米の株価パフォーマンスには以下のように、大きな差がついています。

日経平均・NYダウの動き比較:1989年末~2019年9月

注:1989年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成。グラフの中の赤で書いたPER(株価収益率)はS&P500指数、青字のPERは東証株価指数の平均PER

 
 上のチャートを見ると、上がり続けるNYダウはバブルのように見えますが、そうではありません。バブル相場では、利益を無視して夢だけで株価が上昇しますが、NYダウは利益を無視して上昇してきたわけではありません。1株当たり利益の増加を反映して、上昇しただけです。

 株価の割安度をはかる代表的な指標にPER(株価収益率)があります。1株当たり利益の何倍まで株価が買われているか、示します。世界各国の主要株価指数は、だいたいPER10~20倍の範囲で評価されてきました。米国株のPERは、だいたい13~20倍の範囲で推移してきました。90年ころ約15倍だったのが、現在約18倍です。特に割高感はありません。

 一方、日本株(東証株価指数)の平均PERは大きく変動しました。1973年ころは約13倍で割安でしたが、バブルのピーク(1989年末)には、約60倍まで上昇していました。利益を度外視して、夢だけで株が買い上げられた結果です。90年以降、バブル崩壊でPERは低下が続き、現在は約14倍まで低下しています。今の日本株はPERから評価して再び割安と言えます。