今週はもみ合いが続きそう

 となると、もう少し株価が調整する可能性を考えておく必要がありそうです。27日(金)の下ヒゲが示した安値は2万1,733円ですが、この価格ラインを描いてみると、今年に入ってから上値抵抗として機能していたことが分かります(下の図2)。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2019年9月27日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週末の日経平均株価先物取引の終値は、大阪取引所で2万1,720円、CME(シカゴ)で2万1,705円でしたので、ちょうど下ヒゲが示した株価水準と同じです。そのため、今週はこの株価水準を維持できるかが週初の焦点になります。

 仮に維持できなかった場合は、先ほどの図1でゴールデン・クロスを達成した25日移動平均線がサポートの目安になります。先週末時点の25日移動平均線は2万1,282円ですので、調整幅が大きくなってしまうイメージですが、「ここまでの下げの範囲ならば想定内」と逆に余裕を持つことができそうです。

 よって、ここ何回かのレポートで指摘していた「日経平均の年初来高値(4月24日の2万2,362円)トライ」ですが、まだ見方を変更する必要はなさそうなものの、短期的な値動きの荒さによる揺さぶりには注意が必要と言えます。今週は日銀短観をはじめ、米雇用統計や中国の製造業PMI(購買担当者景気指数)など、国内外で経済指標の発表が多い他、10月1日には消費増税が実施されます。また、この日は中国の国慶節で多くの行事やイベントが予定され、上海株市場も長期の休場に入るなど、何かと話題の多い週になります。材料が多い分だけかえって動きづらく、もみ合いが続きそうというのが今週のメインシナリオです。