1995~1998年型の軟着陸はできるのか?

 FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長は、現在の米国の利下げ局面を説明するとき、1995年から1998年頃の金利政策を引き合いに出すことを好みます。

 当時はアラン・グリーンスパン議長の下、「予防的に」小刻みな利下げが3回だけ行われました。そして経済は見事に軟着陸したのです。

 ひるがえって、今回はこれまでに0.25%刻みで2回の利下げが実施されました。パウエル議長は「これは予防的な利下げだ」ということを強調しています。そして、ある時点で利下げをやめ、様子を見たい考えです。つまり当時のシナリオを再現することがパウエル議長の理想なのです。

まとめ

 10月から米中貿易交渉が本格化します。これまでと違い、今回こそは双方から歩み寄りがみられる可能性があります。米国経済は消費に支えられて堅調です。株式市場のバリュエーションは適切です。1995~1998年型の軟着陸のシナリオもありうると思います。