読者の親御さんは、今どうしていらっしゃるだろうか。そして、親御さんの金融資産は現在どのような状態にあるだろうか。

 トウシルにはさまざまな年代の読者がいらっしゃるので、必ずしも「高齢の親のお金が心配だ」という読者ばかりではないかも知れないが、今回は、典型的には60歳代以上の「親のお金」をいかに守るかについて書いてみたい。

 今回、親のお金をテーマに選んだ理由は、筆者が最近「実は、親がお金について困った状況にある」という相談や情報提供を受ける機会が多いことと、金融機関の保険等の販売で高齢者のお金が狙われている事例をニュースなどでよく目にするからだ。

 傾向として、高齢者はお金を持っている。そして、不適切な営業勧誘に晒されやすい。読者が、まだ若い人である場合、自身の資産形成の重要性もさることながら、親のお金が適切に守られ、運用されることのインパクトの方が大きい場合が少なくないだろう。

 現在、親の金融資産について把握していない方は、ぜひ、親御さんとお金の話をしてみてほしい。「こんなことになっていたのか!」と驚くケースが少なくないはずだ。

 親のお金については「相続」という別の大きなテーマがあるが、本稿では、その一歩手前までの親のお金の管理と運用について考えてみたい。