売買代金ランキング

1 そーせい(4565・東証マザーズ)

 5日に年初来高値2,794円を付けましたが、ここが現時点では株価のピークに。5日の午前10時、国内製薬ビッグネーム武田薬品との新規提携を発表したことが手掛かりでした。7月のジェネンテック社との提携に続く強材料。契約一時金と初期マイルストンの合計は2,600万米ドルとのことで、ジェネンテック社との契約条件と同額です。ライセンス供与による一時金の相場が2,600万米ドルというのは凄いこと!

 なお、13日に中間期(1~6月期)決算も発表。アストラゼネカやファイザーなど提携先からのマイルストン計上で、売上高は前年同期比2.8倍の50億円でした。一時金を受領することは事前の発表段階で判明するため、金額的には想定線といえます。ただ、昨年後半から立て続けに提携を発表しているそーせい。マイルストンの積み上げに期待が続くのは当然でしょう。

2 アンジェス(4563・東証マザーズ)

 2月に国内で了承された遺伝子治療薬「コラテジェン」。コラテジェンの薬価収載などを議題にする厚生労働省の中央社会保険医療協議会が28日に開催予定と伝わり、「コラテジェン1本いくらか?」への期待から、26日の高値965円まで株価は上昇していました。ただ、27日付の一部朝刊が「投与1回当たりの収載薬価は60万円」と報道。

 これを受けた株価反応は、27日に16%安、28日に15%安、29日に15%安と3日連続の急落に。実際決まった薬価も「1回当たり60万360円」と報道通りだったのですが、これが市場予想より低かったことが失望理由になったようです。アンジェスに投資判断を付与している証券会社は1社(投資判断は「弱気」)。このレポートを読み返すと「薬価を仮に100万円とした場合、年商10億円で営業利益への貢献は2億~3億円程度」と試算されていました。今回決まった薬価での黒字化は困難…これが売られた背景といえそうです。

3 バンク・オブ・イノベーション(4393・東証マザーズ)

 ゲーム株の人気がにわかに高まった8月相場で、まだ上場して日が浅い(18年7月上場)SNSゲーム株といえる同社が想像絶するハイボラ展開となりました。材料視されたのが、日本で提供している王道ファンタジーRPG「幻獣契約クリプトラクト」の台湾・香港・マカオ向け配信だそうで…。

 日本では配信開始から4年半で累計1,200万DLを突破する人気ゲーム。台湾などでもヒットするとの期待があるのでしょうが、海外ローカライズ版が課金収入を稼いで業績を急拡大させたSNSゲーム株ってありましたっけ?

4 インパクトHD(6067・東証マザーズ)

 9日に発表した中間期(1~6月期)決算では、最終損益が1,600万円の赤字に転落していました。インドでの本格展開を予定していたコンビニ事業が期待材料となってきた同社株でしたが、現地の合弁会社会長が自殺。監査法人から中間決算時における四半期レビューの結論を表明できないとの報告を受け、14日に四半期報告書の提出期限延長を申請すると発表しました。

 インドのコンビニ事業の遅れと業績悪化懸念、さらには上場廃止リスクも浮上したことで株価は急落。ただ、その後に四半期報告書を「9月13日」には提出できる見通しと発表するとリバウンド。とはいえ、月間では33.5%安…新興株全体の値下がり率でも10位でした。

5 メルカリ(4385・東証マザーズ)

 8日発表の本決算では、前19年6月期の売上高は前期比45%増の516億円、最終損益は137億円の赤字(前の期は70億円の赤字)。流通総額の増加による強い売上の伸び、広告宣伝費など米国投資による赤字幅拡大…ともに市場予想通りの着地でした。

 今期見通しに関しては、前期と同様で「開示なし」。ただ、6社のアナリスト予想の平均は今期も114億円の最終赤字となっています。とくに「今上期には注意」との指摘も。スマホ決済「メルペイ」のキャンペーン強化に動いているため、その分が赤字拡大につながる可能性があるようです。