日経平均は二番底を模索へ

 米中対立が緩和すれば、5G(第5世代移動体通信)や半導体への投資が世界で復活し、世界景気が回復に向かう期待があります。ところが、対立緩和の期待がまたも打ち砕かれたことを受け、今週の日経平均は下落して始まることが予想されます。ただし、そこは日本株の良い買い場になると判断しています。

 日経平均は、二番底を模索中です。昨年末に一番底(12月26日に一時1万8,948円)をつけましたが、目先、二番底を模索する展開となりそうです。ただし、日本株は買収価値や配当利回りから見て「割安」と判断しています。この下落局面で、日本株を積極的に買っていくことが、長期的な資産形成に貢献すると考えています。

日経平均の推移:2015年1月5日~2019年8月30日

注:楽天証券経済研究所が作成

 簡単に、2015年以降の流れを振り返ります。

【1】2015年末―2016年初に、世界的に景気停滞

 日本も景気後退ぎりぎりまで景気が悪化しました。ただし、結果的に景気後退には至らず、2016年後半から世界的に景気が回復しました。日本の景気も回復に向かいました。

 この景況変化を反映し、日経平均は2015年に「二番天井」をつけて急落し、2016年に「二番底」をつけて急反発しました。

【2】2018年末~2019年にかけて世界的に景気悪化

 昨年末から、景気の悪化が鮮明となってきました。日経平均は、景況悪化を受けて、2018年には、二番天井つけて急落しました。ただし、私は2020年には景気が回復に向かうと予想しています。それを反映し、今年の年末にかけて日経平均が上昇トレンドに入ると予想しています。今は、2019年の景気悪化を織り込む最終局面と判断しています。

 日経平均は昨年末に、一番底をつけたと見ています。現在、二番底を模索中です。秋には二番底をつけた後、上昇トレンドに戻ると予想しています。

 

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