値上がり率ランキング(5銘柄)

1 APLIX(3727・東証マザーズ)

 24日に発表した光通信との資本業務提携を好感、翌25日はストップ高買い気配で一気に37%高しました。光通信が同社株を議決権ベースで16.19%取得し、筆頭株主に。光通信グループの持つ営業力や販売網を活用し、IoTソリューションの拡販につなげることが目的のようです。

 アプリックスといえば、東証マザーズ市場の黎明期に上場した老舗マザーズ株。03年12月に上場していますので、マザーズに上場して約15年半経過しています。上場来安値を付けたのが昨年12月なのですが、時価総額40億円を下回った安値で光通信が逆張り買いを入れたという話。上場した03年12月以降の長いチャートを見ていただければ、新興株の長期投資が持つリスク面を学べると思います。

2 レイ(4317・ジャスダック)

 第1四半期決算をきっかけに大きく値上がりした銘柄。12日に発表した第1四半期決算では、営業利益が前年同期比2.6倍に。広告ソリューション事業で受注が堅調だったようです。

 第1四半期の営業利益は2.6億円で、中間期の営業利益予想は前年同期比10%減益の1.6億円。第1四半期で上期分を大幅超過するロケットスタートを切ったわけですが、中間期の業績見通しは期初計画を据え置き。3カ月以内の上方修正は確実と判定されているのでしょう。

3 メディア工房(3815・東証マザーズ)

 流動性の低い低位小型株に、想像を膨らませるには持って来いの材料が19日に投下され、これが予想を越境する好反応に発展しました。

 その材料は、同社のグループ会社が中国消費者に向け、医療インバウンドと越境eコマースを提供するWebサービス「和心医薬」をリリースしたとの発表。翌日から2日間で株価は4割以上も値上がりしたのですが、どれほど収益化するものかは不明です。

 同社が5日に発表していた第3四半期決算は、ゲームコンテンツ事業の不振などで営業利益は50%減益でした。通期では前期比2倍の営業利益になると掲げていますが、第3四半期までの進捗率は20%。不振続きの業績が、起死回生の新サービス「和心医薬」で急回復すると思われているのでしょうか?

4 栄電子(7567・ジャスダック)

 7月後半、フィラデルフィア半導体株指数が最高値を更新するなか、日本の半導体関連銘柄も強烈な上昇でマーケットの主役になる場面を作りました。「半導体の在庫調整は最悪期を脱した」など、想定より悪くないとの見方から外資系証券が半導体セクターの投資判断を引き上げる動きが相次いだタイミング。

 そのなかで、半導体製造装置向けの電源・コネクターなどを扱う電子部品商社の栄電子にも触手が伸びた格好です。ただ、流動性は非常に低い銘柄…触手を伸ばしたのは少数の個人投資家で間違いなさそう(時価総額20億円台の銘柄を買える機関投資家はさすがにいないでしょう)。

5 エリアリンク(8914・東証マザーズ)

 4月下旬の第1四半期決算発表時に続き、決算発表が急騰の手掛かりに。不動産運用サービス事業におけるストレージ流動化、不動産再生・流動化サービス事業における底地の販売が前倒しで進んでいるようで、中間期も営業利益は76%増と大幅増益。営業利益の通期予想に対する進ちょく率は94%と高く、“前倒し”があったとの会社側の報告は無視されているようで…。

 ちなみに、前期分の決算発表時を振り返ると、第3四半期(10月下旬)と第4四半期(2月中旬)の決算発表時は株価が急落しています。今期も下期の決算発表タイミングが鬼門になりそう?