先週の結果

FOMCの0.25%利下げ後の追加利下げ後退と、米中貿易戦争リスクで急落

 週前半は、FOMCを控える中、利下げ幅は0.25%の見方からドルが買い戻され、1ドル=109円に接近したことで、日経平均は一時2万1,792円と2万1,800円に接近しました。

 31日、注目のFOMCは、政策金利は市場の大方の予想通り0.25%の引き下げとなったものの、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が記者会見で、「今回の利下げは長期的な利下げの始まりではない」と発言したことで、NYダウは一時▲478ドルの下げとなりました。

 日経平均はドル安進行となったことで、2万1,500円台の動きでしたが、週末になると前日の米国市場でトランプ大統領の対中追加関税を嫌気して大幅続落となり、リスク回避の円買いが107円台まで進行したことで、一時▲580円まで下げ、▲453円の2万1,087円で引けました。

7月29日(月):前週末の米国市場は、4-6月期GDP(国内総生産)が好調で、主要3指標上昇(S&Pとナスダックは史上最高値更新)だったものの、ロイターで「米中通商協議は妥結困難」との報道で、日経平均は売り先行で一時▲139円の2万1,518円まで下落。終値は▲41円の2万1,616円と続落しました。

30日(火): FOMCの利下げが当初の0.5%から0.25%へ落ち着く可能性が高く、ドルが買い戻されて108円台後半の円安進行となったことで、一時+176円の21,792円まで上昇。その後は日銀会合の政策現状維持を受け、やや円高となったことで先物に売りが出て、+92円の2万1,709円と3日ぶりの反発で引けました。

31日(水):前日の米国市場でトランプ大統領が中国への不満をツイートしたことで、米中通商協議の先行き懸念から3指標そろってマイナスに。これを受けて日経平均は▲182円の2万1,526円で寄り付き、一時▲233円の2万1,476円まで下げて、終値は▲187円の2万1,521円と反落しました。

8月1日(木):前日のFOMCで政策金利は想定通りに0.25%の利下げに落ち着きました。その後の大方の予想は、あと1~2回の追加利下げがあるとみていましたが、パウエル議長は会見で「今回の利下げは今後の利下げサイクルのスタートではない」と発言。このことで、先行きの利下げ期待が後退し、NYダウは一時▲478ドルまで下げ▲333ドルの2万6,864ドルで引け、3指標大幅安となりました。日経平均はこれを受け、朝方は、▲159円の2万1,361円で寄り付き、2万1,288円まで下げました。しかし、その後はFOMCの今後の利下げ後退発言を受け、1ドル=109.20円まで円安が進んだことでプラスに転換。+19円の2万1,540円と小反発しました。

2日(金):トランプ大統領がツイートで、中国からの輸入品3,000億ドル相当に10%の関税を課すとコメントしたことや、朝方の7月ISM製造業景況感指数が予想を下回ったことで、利下げ期待が再び高まりました。NYダウは300ドル近く上昇したものの、急落となって▲280ドルの2万6,583ドルで引け、これを受けた日経平均は▲329円の2万1,211円で寄り付きました。その後、為替が1ドル=107円台を切る動きとなったこともあり、▲580円の2万960円と2万1,000円を一時割り込み、▲453円の2万1,087円で引けました。

 日本市場の引け後の2日(金)の米国市場は、7月の米雇用統計で平均賃金が前年比3.2%と上昇し、インフレ指数となる平均賃金が強い結果となったことで、今後の追加利下げ期待がますます後退。NYダウは一時▲334ドルまで下げ、終値は▲98ドルの2万6,485ドルとなり、S&Pとナスダックは今年最大の下落率となりました。シカゴの日経先物は▲135円の2万875円と2万1,000円を大きく割り込んできました。