7月中旬から本格化する4-6月期決算発表に注目

 7月初に発表される6月の日銀短観DIは、7月中旬から本格化する4-6月期決算の先行指標として注目しています。なぜならば、6月に企業経営者が足元の景況感について回答した結果が、6月のDIだからです。4-6月の企業業績を踏まえながら、DIアンケートに回答することが多いと考えられます。したがって、4-6月の企業業績の先行指標となることが多いわけです。

 実際、過去には6月の大企業DIが4-6月期企業業績の先行指標であったことが多かったと言えます。同様に、9月の短観DIは7-9月企業業績の先行指標となることが多く、12月のDIは10-12月期、3月のDIは1-3月期企業業績の先行指標になることが多くなっています。

 今回発表された6月の日銀短観DIを見る限り、日本の企業業績は、まだそれほど悪化しているわけではなさそうです。4-6月の決算発表では、製造業の業績がやや低下している可能性がありますが、通期(2020年3月期)の業績予想の下方修正がどんどん出るような状況ではありません。

 非製造業の景況は、堅調であったことが、確認されました。内需関連は、そんなに悪くなっていない見込みです。ただし、消費増税を控え、小売業の景況感は低くなっています。

 参考までに、6月短観でDIが高かった業種と低かった業種を挙げると、以下の通りです。

6月の日銀短観、大企業・製造業でDIが高かった業種と、低かった業種

 

6月の日銀短観、大企業・非製造業でDIが高かった業種と、低かった業種

出所:日本銀行