広く報じられているとおり、先週13日、ペルシャ湾とインド洋の間にあるホルムズ海峡付近で日本船籍を含むタンカー砲撃事件が発生しました。

 本事件については以前の「緊急レポート!どう見る?安倍首相イラン訪問中の『ホルムズ海峡被弾事件』」をご参照ください。

 この事件発覚直後、原油相場は反発しましたが、ほどなく下落しました。この値動きは中東情勢だけが原油相場の変動要因でないことを改めて印象づけたと言えます。

 今回のレポートでは、ホルムズ海峡事件の他、先週公表された複数の原油関連の重要なデータを踏まえた上で、今月末で終了するOPECプラス(石油輸出国機構=OPECと、非加盟国で構成される組織)の減産に関して、産油国会合(6月25~26日予定)でどのような決定がなされるのかを考察します。

図: WTI原油先物(※)の値動き(期近、日足、終値) 

単位:ドル/バレル
出所:CME(シカゴ・カーマンタイル取引所)のデータをもとに筆者作成
※WTI=ウエスト・テキサス・インターミディエート