5月雇用統計の注目点は?

 これからの雇用統計のポイントは、「貿易戦争2.0ビフォーアフター」。何かというと、米中貿易戦争が起きる前と起きた後を比較して、米国の労働市場がどれほど悪化するか(あるいはしないか)をチェックすることで、米経済の先行きやFRB(米連邦準備制度理事会)の政策を予測するということです。

 トランプ米大統領が、ツイッターで2,000億ドル分の中国製品の関税を25%に引き上げを発表したのは5月5日。ファーウェイ製品使用禁止の大統領令に署名したのが5月15日。今回の雇用統計は、貿易戦争2.0の不安よりもと米中貿易協議の合意期待のほうがまだ大きかった時期のデータといえます。本格的な影響が出てくるとすれば来月以降になるでしょう。別の言い方をすれば、5月の雇用統計のデータは、貿易戦争2.0前の米国経済が良かった時代の「懐メロ」データです。