ドル/円のフェアバリューは1ドル=110円と考えるが、為替は短期的に理論値を無視

 私は、ドル/円のフェアバリュー(日米金利差・購買力平価から計算される理論値)は、現在、「1ドル=110円」と考えています。ということは今、ドル/円はほぼフェアバリューにあることになります。ただし、それは実は珍しいことです。為替は、短期は材料や需給で動きます。そのため、実際のレートは、フェアバリューを無視して5円、10円離れて動くのが、普通です。極端な場合は、フェアバリューから20円以上離れることもあります。

 私はドル/円の理論値が1ドル=110円と考えていますが、短期的なショック安で1ドル=100円を割れることもないとは言えないわけです。ボラティリティの変化に応じて機械的に動くマネーが増加しているので、今後、政治経済でとんでもないネガティブ・サプライズが飛び出したときパニック売りが集中すれば、1月3日のようなドルの急落が起こることもあり得ます。

 したがって、短期的な為替レートを予測するのはほとんど不可能と考えています。私が言えることは、私の理論値計算では、今は1ドル=110円がフェアバリューだということだけです。もし、短期的なショックで、理論値を無視して円高・株安が進むことがあれば、そこは、長期的にドル・日本株を買う好機になると思います。