5月22日(水)、23日(木)と、原油相場は大きく下落しました。米中貿易戦争の激化による消費減少懸念、米国の原油在庫の増加などがその要因と言われています。
しかし、中東情勢の悪化、米国のイラン制裁による主要産油国から供給量の減少、OPECプラス(OPEC:石油輸出国機構と、非加盟国合計24カ国で構成される組織)の減産継続への期待の高まりなど、上昇要因は複数存在します。
目立つ、分かりやすい材料だけに目を奪われず、さまざまな材料を俯瞰することが、現状をできるだけ正しく認識し、中立的に先行きを考えるために必要なことだと考えます。
今回は、原油市場における全貌を俯瞰し、材料同士のつながりに着目します。
図:*WTI(West Texas Intermediate)の動向(日足、期近)
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*WTI=West Texas Intermediate。米国南部で産出される軽質で低硫黄な原油の総称
出所:CME(シカゴ・カーマンタイル取引所)のデータをもとに筆者作成