ファーウェイ社への禁輸は米中双方にダメージ大きい

 先週、米中対立はさらに先鋭化しました。トランプ米政権が15日、中国の通信機器最大手ファーウェイ社への製品供給を事実上禁じる制裁措置に踏み切ったからです。

 米商務省は、制裁対象のイランと不正に取引したとして、ファーウェイ向けの輸出を実質禁止する措置をとりました。さらに、トランプ米大統領は、米国企業によるファーウェイ製品の調達を禁じる大統領令に署名しました。これで米国企業は、ファーウェイ社へ製品を売ることも、ファーウェイ社製品を買うこともできなくなります。ファーウェイへの禁輸措置は、一定の条件のもとで、米国以外の国の企業にも適用されます。日本企業にも、ダメージが及ぶ可能性があります。

 ファーウェイ社は、世界から半導体、電子部品など約7兆円の調達をしています。それが禁止されると、ファーウェイ社の生産に甚大な影響が及ぶ可能性があります。同時に、ファーウェイに製品を供給していた米国、欧州、日本などの企業にも、ダメージが大きくなる可能性があります。

 先週の、上海総合株価指数は、ファーウェイ社への禁輸措置発動を嫌気して、下落が続きました。

日経平均・NYダウ・上海総合株価指数の動き比較:2017年末~2019年5月17日

注:2018年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成