再び、貿易戦争の不安が高まる

 4月26~27日に行われた日米首脳会談は事前予想通り、ポジティブな内容でした。日米のTAG(物品貿易協定)について、トランプ大統領から事前に予想された以上の要求は出ませんでした。日本サイドをあわてさせるくらい、早期の合意を急いでいることがわかりました。首脳会談の後、トランプ大統領は安倍首相を夕食会、ゴルフに招き、歓待しました。日米の結束をアピールした形となりました。

 ところが米中協議では、一転して決裂も辞さない構えを見せました。今にして思えば、トランプ大統領は、中国との交渉がこじれて長期化する可能性があった故に、日米交渉では合意を急いでいたのだと思われます。

 米政府は果たして、中国向け関税を本当に引き上げるのでしょうか。今週、米政府から公式にどのようなコメントが出るかが、重要です。ただ、事態は楽観を許しません。しばらく貿易戦争エスカレートの不安から、世界株安が続く可能性を考慮しておくべきかもしれません。

今が2019年の世界景気悪化を織り込む最終局面との見方を継続

 今日の日経平均は下落して始まる可能性がありますが、途中から始まる今日の上海株が反発すれば、値を戻す可能性もあります。ただし、米政府が本当に中国向け関税を引き上げれば、改めて大きく売られる可能性もあります。結論は、連休前に述べていたことと同じです。短期的に、日経平均が下がる場合は、そこは長期的に日本株を買い増しする好機と判断しています。

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