4月22日(月)、ポンペオ米国務長官が、「米国政府の目標はイランの原油輸出をゼロにすること、5月初旬に終了する猶予期限を延長することはない」と述べました。この発言により、イランからの原油輸出が減少し、世界の石油需給がひっ迫するのではないか? との思惑が広がりました。

 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は、4月24日(水)に一時、1バレルあたり66ドルという昨年11月の水準まで上昇しました。イラン石油制裁、イラン原油輸出ゼロ、猶予期限終了……さまざまなキーワードにあおられるように原油相場は上昇し、高止まりしています。

 本レポートでは、イラン制裁について概要を確認し、原油相場への短期的、そして長期的な影響を考えていきます。

図:WTI原油先物価格の推移(2019年4月25日時点)

単位:ドル/バレル
出所:CME(シカゴ・カーマンタイル取引所)のデータより筆者作成