春・夏・秋、米国のトウモロコシは天候の影響大 

 大規模な農業が行われている米国ですが、トウモロコシも大豆も、種まきや収穫は1年に1度です。春に種をまいて秋に収穫をします。

 以下は、米国におけるトウモロコシの各生育段階の進捗率と在庫の推移を示したものです。(2018年の実績値を参照)

図:米国におけるトウモロコシの各生育段階の進捗率と在庫の推移(2018年)

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

トウモロコシの作付けから収穫までの過程を、作付け、発芽、めしべ成長、実の凝固【1】・【2】成熟、収穫の7つに分け、それぞれの進捗状況を示しました。

 例えば2018年は、作付けは4月に始まり6月に完了、収穫は9月に始まり11月に終了したことを示しています。発芽から成熟までの生育期間はおよそ120日間と言われています。 これら7つの過程それぞれと天候の関係は以下のとおりです。(東京商品取引所の資料を参照)

作付け・発芽(4月上旬から6月上旬)
作付けから数日で発芽する。土の温度が摂氏10度以下では発芽しない。理想は摂氏15度程度。作付けが6月以降に後ずれすると、成熟が不十分になる。また、この時期に雨が多いと作付けをする大型農機を畑に入れられない。水分は必要だが、多すぎることはマイナス。

めしべ成長(6月上旬から8月上旬)
トウモロコシの実の先端から細長い絹のような、めしべにあたる糸状のものが出てくる。受粉期(7月中旬から8月初旬)は、十分な土壌水分が必要。また、摂氏38度以上だと受粉に失敗しやすい。

実の凝固【1】(7月下旬から9月上旬)
実が固まり始める時期。霜(しも)が下りると次の生育段階に進まなくなる。乾燥した天候が望ましい。

実の凝固【2】(8月上旬から9月下旬)
引き続き、乾燥した天候が望ましい。ハリケーンや熱帯暴風雨の進路が主要生産地(米国の中西部)まで北上した場合、実が固まらない、大型農機を畑に入れられないなどのトラブルが発生する可能性がある。

成熟(8月下旬から10月中旬)
実の凝固【2】から約2週間で成熟が完了する。

 また、2018年の在庫については、3、6、9月と、2017年の秋に収穫したものが徐々に減少してきている過程にあり、2018年の収穫がほぼ完了した直後の12月に年間で最大となります。