人口増加・食肉文化の浸透でトウモロコシ消費は増加

 以下は米国産トウモロコシの用途です。主要な用途は飼料用、つまり、牛や豚、鶏のエサです。また、近年はバイオ燃料を使用する動きが政策的に広まったため、米国内のトウモロコシの用途においても大きな変化が起きています。

 飼料用やエタノール用に用いられていることから分かるとおり、対象としているトウモロコシは人間がそのまま食べるトウモロコシではありません。デントコーン(Dented Corn)といって、実の中の水分が少ないトウモロコシです。 Dentは動詞で“へこんだ”などの意味で、この場合、水分が抜けて一粒一粒の実がへこんだ様を示していると考えられます。また、Dentは名詞では“歯・歯型”の意味があり、水分が抜けた粒が歯のように見えるためにデントコーンと言う、とする人もいます。

図:米国産トウモロコシの用途 

単位:百万ブッシェル
出所:USDAのデータをもとに筆者作成

 


 米国はトウモロコシの輸出量は世界No.1と書きました。輸入した国もまた、主に飼料用にトウモロコシを使用しているとみられます。以下のグラフは、各種食肉の消費量を示したものです。
 

図:世界の食肉消費量推移 

単位:千トン
出所:USDAのデータより筆者作成

 年々、世界の食肉消費量は増加傾向にあります。人が肉を食すことを止めず、その人の数が増加し続けている以上、これらの肉の消費量は増加の一途をたどり、そして肉を生産するためにはエサが必要であり、そのエサの一部をトウモロコシが担っている、という構図になっています。このため、トウモロコシの世界的な消費量は今後も増加するとみられます。

図:世界のトウモロコシ生産量と消費量 

単位:百万トン
出所:USDAのデータより筆者作成