米国のトウモロコシ作付面積は日本の国土に匹敵!

 以下は、世界のトウモロコシ生産量におけるランキングを地図に示したものです。

図:トウモロコシの生産量ランキング(上位10位)(2017年)

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

 適度な緯度と、耕作地として使える土地が広い国が、上位にランクインしています。北半球の国が10カ国中6カ国となりました。その北半球の国、世界で最もトウモロコシの生産量が多い米国の動向に注目します。 米国は生産量で世界No.1ですが、輸出量でもNo.1です。貿易品目として世界に流通するトウモロコシに最も大きな影響力を持っているのが米国なのです。 とうもろこしの生産量や輸出量については「コモディティ☆クイズ【7】「とうもろこし関連国(地図付)」の世界シェアは?」 をご参照ください。

 その米国におけるトウモロコシの作付面積を示したのが以下のグラフです。トウモロコシとほぼ同じ時期に作付けをし、収穫をする大豆の作付面積も記載しました。

図:米国におけるトウモロコシと大豆の作付面積 

単位:千平方キロメートル
出所:、USDAのデータをもとに筆者作成

 米国の農家はその年にトウモロコシを植えるのか、大豆を植えるのかを天候や市場動向を見て選択すると言われていますが、米国の穀物の長い歴史で見て見ると、上図のとおり、トウモロコシと大豆の作付面積(毎年6月末に公表される確定値)の合計は、長期的には増加していることが分かります。トウモロコシ、大豆ともに相応の消費用途があり、その消費が年々増加傾向にあるため、畑の面積が拡大していると考えられます。

 米国では、面積の単位は“エーカー”で公表されています。これを日本人になじみのある平方キロメートルに換算すると、2018年のトウモロコシと大豆の作付面積の合計は約72万平方キロメートル、そのうちトウモロコシは約36万平方キロメートルでした。 これらが具体的にどのくらいの規模かを世界の国の面積に例えると、トウモロコシと大豆の作付面積の約72万平方キロメートルは、面積ランキング38位程度のザンビア(アフリカの銅の生産で有名)や、南米の南北に長いチリに匹敵します。トウモロコシの作付面積の約36万平方キロメートルは、面積ランキング61位程度の日本やドイツに匹敵します。