モルガン・スタンレー

 モルガン・スタンレーはゴールドマン・サックス同様、商業銀行業務は展開していません。ただゴールドマン・サックスと違う点として富裕層向けリテール証券部門を持っていることが挙げられます。これはバンク・オブ・アメリカのメリルリンチ部門のライバルです。

 モルガン・スタンレーのリテール証券部門はディーン・ウィッター、スミス・バーニーなどがその母体となっています。

 富裕層向けリテール証券ビジネスは投資銀行よりビジネスの浮き沈みが少ないことで知られており、同部門の存在がモルガン・スタンレーの業績を安定感あるものにしています。

 投資銀行部門はJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスと並んで「3強」の一角です。とりわけ株式部はウォール街随一の実績と陣容を誇っています。その半面、債券部は弱いです。

 2018年第4四半期のROE(株主資本利益率)は7.7%、ROTCE(有形自己資本利益率)は8.8%、CET1 capital ratio(普通株式等Tier1比率)は16.8%、1株当たり有形簿価は36.99ドルでした。

 同行は株式部が強いだけに、新規株式公開のブームが到来すると恩恵を被りやすいです。