ウエルズファーゴ

 ウエルズファーゴはリテール・バンキングに強い銀行です。銀行のブランドでは最も尊敬されるブランドの一つです。しかし2016年に架空口座開設のスキャンダルが発覚して以来、次々に強引すぎる営業の実態が暴かれ、今は連邦政府の厳しい監視下に置かれています。

 つい先週もティム・スローンCEO(最高経営責任者)が辞任。同行の歴史始まって以来、外部から初めてCEOを迎え入れるべく、人選に入っています。

 FRB(米連邦準備制度理事会)から「総資産を増やしてはいけない」という行政指導を受けているため、当面の業績は伸びようがありません。まず社内の体制をしっかり立て直すことが急務です。

 ただ財務的には同行は健全であり、収益性などの点では他行に比べ遜色ありません。

 2018年第4四半期のROA(総資産利益率)は1.28%、ROE(株主資本利益率)は12.89%、ROTCE(有形自己資本利益率)は15.39%、1株当たり簿価は38.06ドルでした。

 ウエルズファーゴはウォーレン・バフェットが投資している銀行としても知られています。新しいCEOが誰になるのか注目したいと思います。

シティグループ

 シティグループはメガバンクの中では一番、国際展開を積極的に行っている銀行として知られています。とりわけ新興国に強いです。このため、同行の業績は米国だけでなく、世界の経済の状態に左右されやすいです。

 投資銀行業務では大きな債券部を持っていることで知られています。同行の債券部は昔のソロモン・ブラザーズが母体となっています。

 2018年第4四半期のROE(株主資本利益率)は9.4%、ROTCE(有形自己資本利益率)は10.9%、CET1 capital ratio(普通株式等Tier1比率)は11.9%、1株当たり有形簿価は63.79ドルでした。

 他のメガバンクに比べると収益性の低さが目立ちます。