FRBのハト派姿勢はトレンドの転換点になる?

 FRBの予想以上のハト派姿勢にマーケットは驚きました。今年の利上げ回数が前回の2回見通しからゼロ回となりましたが、マーケットでは利上げ1回との見方もあったためサプライズとなりました。また、保有資産の縮小については年内停止、つまり12月終了との見方が大勢であったのに、5月から縮小ペースを減速し9月に終了と、市場の予想よりも前倒しの発表にサプライズとなりました。

 FRBがよりハト派になった背景について、「世界経済が悪いからFRBがよりハト派色を打ち出した」という本来あるべき見方よりも、「FRBがよりハト派化するほど世界経済が悪いのではないか」と景気の下振れリスクを強く懸念する市場参加者が増えてきています。株や金利、為替市場の調整、あるいは逆イールドが一時的な状態だけであるなら良いのですが、この状態が続くのであれば市場の転換点になる可能性も出てきます。

 

今週発表の景気指標に注目

 今週は28日からの閣僚級の米中貿易協議も注目ですが、景気後退懸念が高まっていることから景気指標に敏感に反応しそうです。28日発表予定の米国10-12月期GDP確定値、29日の日本の鉱工業生産指数はより注目されそうです。

 日本の経済指標が悪いと、3月月例経済報告で景気判断が下方修正されたこともあり、過去の経験則から4月24~25日の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和への期待が高まるかもしれません。その場合、円高ブレーキ要因になる可能性があり、場合によっては一時的に円安に動くことも予想されます。ドルを売りそびれた実需筋や投資家にとっては絶好の売り場になるかもしれません。