今週は来月の新年度相場に向けて慎重さが求められる週

 今週は3月の最終週です。2019年の日経平均は大発会を除いて、これまで順調と言って良いほど右肩上がりを描いてきました。つまり、ほぼ3カ月間、株価の戻り基調が続いていたわけです。

 上の図3を見ると、日経平均は10月2日の高値(2万4,448円)と12月26日の安値にかけての下げ幅の「半値戻し」を達成したところで、ややもたつき気味になっていますが、下落していた期間が3カ月弱でしたので、「同じ期間を費やして下げ幅の半分しか戻せなかったと考えれば、やっぱり戻りの勢いは弱いのかも」と見ることもできます。実際に、米NYダウは下げ幅の8割以上戻しています(下の図4)。

■(図4)NYダウ(日足)の動き(2019年3月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 ポジティブに捉えれば、「日本株は米国株と比べて出遅れ感があるため、キャッチアップして行けば上値余地がある」となるわけですが、すでに高値圏にある米国株が失速してしまえば、こうした楽観シナリオは成り立ちにくくなります。

 先週末に見せた米国株の大幅下落は、PMI(購買担当者指数)の低下や長短金利の逆転などが、米国経済の減速を警戒させるものとして受け止められたという見方が多くなっています。

 今週も軟調な相場地合いが続いてしまうのかが焦点のひとつとなりますが、少なくとも、楽観モード一辺倒ではなくなり、米中協議や英国のEU(欧州連合)離脱をめぐる動き、国内外の経済指標の結果などの動向に過敏になると思われます。

 最近の気候は、日中は汗ばむような暑さでも夜になると急に冷え込んだりして体調を崩しがちで、ゆえに春の風邪は意外と長引きやすいとも言われています。今週は来月の新年度相場に向けて慎重さが求められる週なのかもしれません。