日産自動車株の予想配当利回りは5.98%

日産自動車の株価と予想配当利回り推移:2018年1月4日~2019年3月19日

 カルロス・ゴーン元会長の逮捕が伝わった2018年11月20日以降、日産自動車株は大きく下がりました。その結果、予想配当利回りは上昇し、12月20日には一時6.8%に達しました(その時の株価は901.3円)【注】

【注】予想配当利回りの計算方法
日産自動車が開示している今期の1株当たり年間配当金(会社予想)57円を、株価で割ることによって、予想配当利回りを計算。1株当たり配当金が変わらないまま、株価が下がると利回りが上がり、株価が上がると利回りが下がる。

 2019年に入ってから、株価は反発。配当利回りに魅力を感じた個人投資家の買いが増えました。3月19日の株価は952.0円で、予想配当利回りは5.98%です。東証一部の平均配当利回りが約2.4%ですから、とても高い利回りです。

 この高い利回りは信頼して良いのでしょうか。というのは、株の配当利回りは確定利回りではないからです。経営の混乱・業績悪化が長引き、配当が減らされ、利回りが下がるリスクもあります。

 日産自動車は、2月12日、今期(2019年3月期)の純利益予想を、従来予想から900億円引き下げ、前期比45%減の4,100億円としました。全世界的に、販売目標が未達になり、目標を引き下げます。これまでゴーン元会長のもと、高い販売目標をたて、販売拡大を最優先する戦略をとってきたため、米国などで値引き(インセンティブ付与)が常時大きくなり、収益率が悪化する弊害が出ていました。値引きを抑制して収益力を取り戻すのに、かなり時間を要する可能性があります。