注目の経済指標は減速予測

 米国GDPは予想を上回ったものの前期より減速しているため、これから発表される経済指標で減速、もしくは悪化を示す指標が続くのであれば、株式市場にとっては力不足の材料となります。

 今年に入ってからの経済指標は強弱まちまちの数字となっているため、1~3月期米国GDPの予想はエコノミストの平均で+1.8%と前期より減速予想。さらに、最新のデータをすぐに反映するアトランタ連銀は+0.3%と一段と弱めの予想となっています。

 いずれにしろ減速傾向の予想となっており、これを見込んでパウエルFRB議長は利上げ停止と資産縮小の年内停止を公表しました。ところが、引き締めから中立への転換は、冷静に見れば、ドルにとってはドル買い材料がなくなるという意味でドル売り材料となります。

 上海株を押し上げてきた中国の景気対策は予想を上回る規模になりましたが、今年の中国のGDP目標は2018年の6.5%前後から、6.0~6.5%に引き下げました。景気に対して厳しい見方をしているため、景気対策もマーケット予想よりも大きくなったと理解できます。

 IMF(国際通貨基金)や世界銀行の2019年のGDP見通しは6.2%となっています。目標の下方になりますが、中国国内のエコノミストの中にはそれよりもかなり厳しい見方をしている人もいるようです。

 以上の考え方は円安要因が続くかどうかという観点でお話ししましたが、円安要因からの観点ではなく、円高要因の観点からも考えておく必要があります。