NYダウは、先週も反発が続く

 日経平均は戻りが鈍いものの、NYダウは既に昨年のボックス圏まで戻っています。

NYダウ週足:2018年1月2日~2019年2月15日

 

 NYダウが強いのは、昨年上値を抑えていた以下の2つの不安が緩和したことによります。

 昨年NYダウの上値を抑えていたのは、米利上げ(金利上昇)が加速する不安と、米中貿易戦争がエスカレートする不安です。2つの不安は両方とも、今は沈静化しています。

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、今年に入ってから、タカ派(利上げに積極的)発言を封印し、ハト派(利上げに消極的)発言を連発しているため、利上げ・金利上昇が続く不安は沈静化しました。米中貿易戦争については、米中ともこれ以上エスカレートさせないように努力している姿勢が見えていることが、好感されています。

 ただ、NYダウは昨年のボックス圏まで戻りましたが、このまま一本調子の上昇が続くとは考えていません。米中通商協議もまだ紆余曲折あると思われます。

 先週、トランプ大統領が「非常事態」を宣言して、メキシコとの国境の壁建設を強行する姿勢を示したことは、波乱要因となります。下院の過半数を抑える、野党・民主党との対立が先鋭化し、政権運営が難しくなる可能性が高まりました。