5.外国債券の扱い
先ほどご紹介した現在の公的年金の基本ポートフォリオにあって、筆者が「弱点」かもしれないと思うのは「外国債券」に割り当てられた15%だ。率直に言って、現状で外国債券は、リスクに見合うほど期待リターンが高くないように思われる。筆者は、現状で個人投資家に外国債券への投資配分をすすめない。円安への備えは、外国株式と国内株式で十分であるばかりか、現実的にはむしろ実質的な為替リスクの大きさが現在の基本ポートフォリオの大きな悩み所の一つになっている。
もっとも、前提条件の置き方や計算の考え方によっては、債券を組み入れるべきだという結論もあり得るので、各運用主体の外国債券に対する考え方に注目してみて欲しい。