4.「リスク」の扱い方とデータ

 アセットアロケーションは期待リターンだけでは決められない。リスクの前提条件が必要だ。

 リスク(各資産クラスのリターン標準偏差と相関係数で表すことが多い)の推計では、ある程度過去のデータが参考になるというのが運用業界のコンセンサスだが、どこからどのようなデータを持ってくるのかについては、公的年金でも運用主体によって差がある。

 筆者は、自分が運用委員を務めている国家公務員共済組合連合会が使っているリスクの数字が、個人投資家の参考にもなるのではないかと思っているのだが、投資家の皆さまには、この際「リスク」についても、前提条件は一通りでないことなど、アセットアロケーションの前提条件に関する現実を知っていただけたらいいと思う。