今日は読者から質問が多い「ふるさと納税」について、改めて解説します。2018年のふるさと納税は、基本的に12月末日まで受付ですが、ワンストップ特例申請書の送付締め切りは1月10日必着、つまり年明けすぐです。早めに申し込み、申請を済ませましょう!

 

増税の足音高まる。使える節税メリットは、使いましょう

 今年は、配偶者控除や配偶者特別控除が、高所得者層で廃止・縮小されました。来年10月には、消費税の引き上げ(8%→10%)が予定されています。少子高齢化が進むにつれ、これからさまざまな形で税や社会保障費の負担が引き上げられていく可能性があります。

 ささやかな自衛策として、使える節税メリットはしっかり使っていった方が良いと思います。ふるさと納税・iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)・NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は、人により、使える方と使えない方がいますが、使えるメリットは最大限活用した方が良いと思います。

 

「ふるさと納税」とは「実質2,000円の負担で応援したい市町村に寄付ができる制度」のこと、返礼品が贈られる魅力も

 ふるさと納税は、実質2,000円の負担で、自分が応援したい市町村に寄付ができる制度のことです。年収などの条件によって決まる上限額の範囲内で寄付をすれば、寄付額から2,000円を差し引いた金額だけ、ご自身の納税額(所得税および住民税)が減ります。寄付した自治体から、返礼品が贈られてくる魅力もあります。

 たとえば、実質2,000円の負担で6万円まで寄付できる方の場合、6万円を応援したい市町村に寄付し確定申告すると、2,000円を差し引いた5万8,000円【注】だけ、ご自身が納めるべき税金が減ります。6万円寄付すると、5万8,000円分、納税額が減るわけですから、実質2,000円の負担で6万円の寄付を行ったことになります。

【注】「ふるさと納税」を実施し、確定申告を行うと、所得税、住民税(都道府県民税および市町村民税)の納税額が減ります。6万円を寄付した場合、(1)所得税・(2)都道府県民税・(3)市町村民税の納付額の減少額を合計すると、ちょうど5万8,000円となります。

 

ふるさと納税で寄付を行う自治体の数が5つ以内ならば、ワンストップ特例制度が使える

 1年間に「ふるさと納税」で寄付する自治体の数が5つ以内ならば、確定申告をしないでも、ふるさと納税の寄付金控除を受けることができます。それが、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」です。ふるさと納税を行ったら、寄付した翌年の1月13日までに、「ワンストップ特例の適用を受ける申請書」を寄付した自治体に提出する必要があります。

 ワンストップ特例を使う場合は、所得税は減りません。住民税だけで、「ふるさと納税額―2,000円」分、納税額が減ります。先に例に挙げた、6万円まで実質2,000円負担で寄付できる方の場合、6万円をワンストップ特例で寄付すると、確定申告しないでも、5万8,000円だけ、ご自身が納める住民税が減ることになります。

 なお、ふるさと納税の自己負担額は、何件の自治体に寄付しても、寄付合計が年収などによって決まる上限金額内ならば、1年間に2,000円だけで済みます。

 先に例に挙げた、ふるさと納税の寄付金控除を受けられる寄付上限が6万円の方の場合、6万円を1つの自治体に寄付すれば、自己負担は2,000円です。1万5,000円を2つの自治体に、1万円を3つの自治体に寄付すれば、寄付金の合計はちょうど上限いっぱいの6万円となりますが、それでも、自己負担は2,000円で変わりません。

 ただし、上限を超えて寄付を行うと、自己負担額が2,000円よりも大きくなりますので注意が必要です。

 5カ所に寄付を行えば、5カ所から返戻品が受取れます。ただし、返礼品は受け取らないことも可能です。地震被害にあった自治体への寄付などで「返礼品なし」を選ぶ方もいます。