値上がり率ランキング(5銘柄)

1 エクストリーム(6033・東証マザーズ)

 現状では、大幅減益が見込まれている通期予想。「この予想が上方修正されるのは確実!」との読み筋が働いたのか、8月前半の数少ない強い株だったことで短期マネーが群がった結果なのか…おそらく後者の要因が大きそうですが、株価は大変貌を遂げました。

 きっかけは、8月に入ってすぐに発表したIP(知的財産コンテンツ)「ラングリッサー」にまつわる材料。ラングリッサーは、家庭用ゲームで累計セールス100万本超とヒットした同社が誇るIPです。この完全新作を中国本土でスマホ向けに配信すると発表し、しかも今期の業績予想にこの分のロイヤリティ収益を織り込んでいないとも発表。今期の最終利益予想が1億円と少額だったこともあり、増額修正の変化率を大きく妄想するには格好の材料になっています。

2 やまねメディカル(2144・ジャスダック)

 会社側が発するリリースに翻弄され続けている気がしますが、8月は急騰しました(ちなみに5月は月間222%上昇、6月は43%下落、7月も17%下落と忙しい)。

 6日に発表した第1四半期決算では、最終損益が6,200万円の黒字(前年同期は9,000万円の赤字)でした。これについて会社側では、決算短信の文章中に「ケアセンター事業が長期にわたる赤字からようやく脱却し、今後は先行投資の収益寄与の局面に入ることが確実」とか「長期間にわたる赤字に忍耐いただいた株主の皆さまに深謝」といったコメントを記載。6月下旬に東証から上場廃止基準に係る猶予期間入り銘柄に指定されていたこともあって、今期にも猶予期間が解除されるのでは?なる期待がスパークしました。

3 和井田製作所(6158・ジャスダック)

 超絶好決算で評価が高まった銘柄。6日に業績予想の上方修正を発表。予想を上回る受注獲得を理由に、売上高予想を68.8億円→81.5億円、営業利益予想を9.7億円→16.4億円へ大幅増額しました。また、今期の配当も年28円→年36円に増額。アナリストによる業績予想がなかったこともあり、素直に市場は驚き、株価反応も大きく出ています。

 株価2,000円台は、2007年6月以来、実に11年ぶり。8月だけで75%も上昇しましたが、それでも予想PERは未だ11倍台です。EPS(1株当たり利益)の増加ペースに、まだ株価は追い付けていないとも言えそうですが…。

4 日本テレホン(9425・ジャスダック)

 急騰のきっかけは、15日夕方に報じられたニュース記事でした。内容は、総務省が2019年7月から中古のスマホが全ての携帯電話会社で利用できるよう、「SIMロック」の解除を義務付ける方針を固めたというもの。中古スマホの流通を促進する国策の関連銘柄として、翌16日から買いが集まりました。

 報道前の15日終値は366円で、6営業日後に付けた8月高値は1,325円。瞬間最大で3.8倍に急騰したわけですが、これも需給ギャップでしか説明できないところ…。15日時点で時価総額は12億円しかなかった超小型株に対し、材料に飛び付いた短期資金が多過ぎたことによるオーバーシュート現象としか表現できません。

5 フルヤ金属(7826・ジャスダック)

 7日に発表した前期(18年6月期)の業績大幅上ブレが好感されました。前期の着地は、売上高が210億円(従来予想152億円)、営業利益が32.8億円(同13.1億円)。また、配当も創立50周年記念配50円を乗せた年100円(従来予想は70円)にすると発表。今期のガイダンスも、大幅上ブレの前期実績に対して増収増益見通しでした。

 スマホなど向け銀合金やHD向けルテニウムの受注が堅調とのこと。これら希少性の高い金属の価格値上がりも業績水準を切り上げています。上場した2006年当時、非常に将来性を有望視された銘柄でした。次世代半導体の量産の恩恵が見込まれ始め、あの当時の輝きを取り戻しつつありますね。