株主優待が魅力的な9月優待銘柄を、権利付き最終売買日に買うのは、有利か?

 買ってすぐに9月の株主優待や配当金を受け取る権利が確定するので「お得」に感じる人が多いようです。そのため人気の優待銘柄では、権利付き最終売買日に向けて、権利取りの買いが増えます。

 ただし現実には、権利付き最終売買日の直前に買って「お得」とは限りません。かえって損なこともあります。権利付き最終売買日の買いが「お得」か「損」かは、直前の株価の動きによって決まります。

 人気の優待銘柄は、権利付き最終売買日に向けて、権利取りの買いで大きく上昇することがあります。その場合、権利落ち日に株価が大きく下がる可能性が高くなります。配当金や株主優待を受ける権利が得られても、その価値以上に株価が大きく下がっては意味がありません。権利取り直前に株価が大きく上がっている銘柄の買いは見送るべきです。

 

人気の優待銘柄では、権利落ちの1カ月以上前に買うのがよいこともある

 人気の優待銘柄や有名な好配当利回り株には、権利落ち日の1~2カ月前から、権利取りの買いが入ることもあります。人気の高い銘柄ほど早めに権利取りの買いで株価が上昇し、権利落ち日には株価が大きく下がります。

 人気の優待銘柄や好配当利回り株は、権利取りの買いが入って株価が上がる前に投資した方がよいといえます。では、どれくらい前に買ったら良いでしょうか? 銘柄ごとにもっともよい買いタイミングは異なるので一概には言えませんが、9月末基準の人気の優待株は、8月後半~9月初旬までに買った方がよい場合が多いと言えます。

 タイミングの判断は個別銘柄ごとに異なります。人気の優待株に一時的な悪材料が出て、権利取り直前に株価が大きく下がっているならば、そこがよい買い場になります。

 優待や配当取りの対象になることがあまりない優待株は、権利付き最終売買日の買いでOKな場合もあります。

株主優待ねらいの買いで、権利取り直前に株価が大きく上がりやすい銘柄、5つの特色

 一般的に、以下の5つの特色を備えた銘柄は、優待取りの買いで権利取り直前に株価が大きく上がることがあります。

(1)株主優待や配当金を、年1回(本決算のとき)しか出さない

(2)小型株。流動性が低い

(3)優待利回りが高い(優待を金銭換算し、投資額で割って計算)

(4)使いやすい(誰もが必要とする日用品中心に幅広い選択肢がある)

(5)マネー誌などで、人気の優待注目銘柄として紹介されている

 このような銘柄に投資する場合は、権利付き最終売買日ではなく、その1~2カ月前に投資した方がよいと言えます。

 

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