心理的な節目、2万4,000円を超える

 23日の日経平均株価は307円高の2万4,124円となり、心理的な節目である2万4,000円を超えました。23日のNYダウは、3ドル安の2万6,210ドルと小反落しましたが、米ナスダック株価指数は3日続伸し、最高値を更新しました。

 米議会が米政府機関の閉鎖を解除するのに必要な2月8日までの暫定予算を可決したことを好感し、日米で株高が復活した形です。日米とも景気・企業業績が好調であることも、追い風となっています。日本銀行が1月22日昼に、金融政策の現状維持を発表したこと、展望レポートで物価の認識を上方修正したことも、日経平均株価を押し上げる要因となりました。

<日経平均日足:2017年9月1日~2018年1月23日>

出所:楽天証券マーケットスピードより作成

 日経平均は昨年11~12月、2万3,000円が上値抵抗線として、意識されていました。1月に入って2万3,000円を一気に抜けると、次は2万4,000円が上値抵抗線として意識される状況となりました。2万3,000円や2万4,000円など、区切りの良い数字は、心理的な節目となりやすいと言えます。日経平均は18日(木)に一時2万4,084円まで上昇しましたが、そこで利益確定売りが増え、2万4,000円以下へ戻されました。

 23日(火)に2万4,124円まで上昇しましたが、まだ2万4,000円を意識した戻り売りは出る可能性があります。今しばらく2万4,000円の値固めとなると考えています。

 

これから本格化する10~12月決算に期待

 日本では、これから10~12月決算の発表が本格化します。会社計画を上ぶれる好調な業績を発表する企業が増えると考えられます。東証一部上場主要841社の業績について、楽天証券では、以下の通り、予想しています。

<東証一部上場3月期決算主要841社の連結純利益(前期比):2016年3月期(実績)~2019年3月期(予想)>

出所:楽天証券予想・会社予想ともに1月11日時点

 今期(2018年3月期)だけでなく、来期(2019年3月期)も増益で、最高益更新が続くと予想しています。

 

米政府機関が再び閉鎖されるリスクは残る

 1月20日~22日まで3日続いた米政府機関の閉鎖は、2月8日までの暫定予算可決で、解除されました。しかし、2月8日までに移民政策をめぐる与野党の対立が解消されなければ、再び閉鎖されるリスクは残ります。

 予算失効による政府機関の閉鎖は、米国で政治ショーとして定着しています。今回、争点となっているのは、トランプ大統領が、幼少期に親と不法入国した若者の滞在許可を認める制度「DACA」の廃止を打ち出していることです。民主党は、DACAの存続を主張しています。

 米国では、11月に中間選挙が行われますが、中間選挙に向けて、共和党・民主党ともに、米国民へアピール合戦が始まっています。

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