「Fear & Greed Index(恐怖と貪欲指数)」の売買ポイントは?

 では、このFear & Greed Indexの推移をS&P500と重ね合わせてみます。

<図4>S&P500(日足)とFear & Greed Indexの推移(2024年10月16日時点)

出所:MARKETSPEEDIIデータとCNN

 上の図4を見ても分かるように、直近1年間のFear & Greed Indexの推移をたどると、おおむね株価(S&P500)の推移と連動していることが分かります。相場のトレンドとムードは比較的一致していると言えます。

 また、6月から7月にかけて逆の動きをしている場面がありますが、買われる銘柄とそうでない銘柄が入り混じり、一部のグロース株が株価指数をけん引していた時期になります。米半導体大手エヌビディアの時価総額が初めて世界1位になったのもこの時期でした。

 そして、足元のFear & Greed Indexの水準は、「極端な貪欲」に近づきつつあります。それだけ相場のムードが強いわけですが、通常の場合、相場のムードの強さは過熱感を伴うため、「そろそろ売りかな」と判断しがちです。

 ただし、昨年末から今年の春先にかけての局面では、貪欲ゾーン内で上下しながら株価が上昇基調をたどっており、今回も同様のパターンで強気ムードが継続する可能性があります。

 そのため、Fear & Greed Indexが貪欲ゾーン内のあいだは株価が上昇しやすく、株価が下がっても、貪欲ゾーンを維持しているのであれば、押し目買いを入れても良いかもしれません。また、利益確定などの売りを出すのは、この貪欲ゾーンから中立ゾーンへ下抜けしそうなタイミングとなります。

 さらに、今後の株価が急落して、Fear & Greed Indexも恐怖ゾーンへ突入した場合には、下げ止まりから反発するタイミングが買いのポイントになると考えられます。

 もっとも、Fear & Greed Indexから探る売買タイミングは、市場のムードによるものなので、あくまでも補助的に利用し、基本的には先ほども述べたような、企業業績などのファンダメンタルズ面からの割高・割安感や、テクニカル分析でトレンドの変化のサインを捉えることなどが中心となります。