EV事業の成功で自社R&D・生産体制にシフト、ハイエンドブランドに進化へ
現地コード | 銘柄名 |
---|---|
01810 |
小米集団 (シャオミ) |
株価 | 情報種類 |
24.55HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の景気刺激策を受けた香港相場の最近の急上昇局面では、投資家が出遅れ銘柄に目を向けたため、小米集団の株価上昇率は他のテック企業をややアンダーパフォームした。ただ、BOCIは中国当局の買い替え補助金政策や、メモリー価格の落ち着き、新規のEV(電気自動車)事業の好調などを理由に、他社に先駆けたファンダメンタルズの回復を予想。同社株がいずれ、トップパフォーマーとなる見通しを示した。また、中期的にはEVの成功に刺激され、スマートフォンやIoT家電についても自前の研究開発(R&D)・生産体制へのシフトを加速させるとの見方。これに伴い低価格を武器に成長してきた同社が、グローバルなハイエンド家電・EVブランドに進化し、さらに再評価が続くことが確実視されるとした。目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続している。
スマホとIoT家電の自社R&Dおよび製造への転換はすでに進行中。北京市昌平区のスマホ工場と、武漢市に建設中の大規模エアコン工場(年産600万台規模)が、将来的な自社体制へのシフトに向けた強固な基盤を形成している。
短期的な支援材料は、主に新エネルギー車や家電を対象とした中国政府の買い替え補助金制度「以旧換新」。ほかにメモリー価格などの部品コストが8月以降、ピークアウトしつつあることも好材料となる。
IoT家電の主力製品であるタブレット、テレビ、大型家電(エアコンや冷蔵庫、洗濯機など)について調査した結果、BOCIは価格面の魅力から、市場シェアがいずれも着実に上昇していると報告した。同社の変革を背景に、IoT製品は将来的に大きく進化するとし、よりハイペースで、より収益性の高い成長が実現するとみている。
一方、同社のEV事業について、BOCIはスタートアップの中で最も出足に勢いがあると指摘している。月間納車台数が2万台に到達するまでに要した期間は、第1号モデル「SU7」の発売からわずか6カ月程度と、市場の予想を上回るペースだった。第2期を迎えるまで、生産能力面の制約は続く見通しだが、2025年には販売台数が市場予想を上回るとの見方。2024年、2025年の予想販売台数を13万台、28万台に上方修正した。
BOCIは「以旧換新」など国内の消費刺激策やメモリー価格の正常化、EV納車台数の上振れ、営業経費の管理強化を反映させ、2024-26年の調整後予想EPS(1株当たり利益)を6%、13%、13%増額修正。従来の中核事業に2025年予想PER(株価収益率)19倍(15倍から上方修正)をあてはめた上で、新規のEV事業に関しては引き続き同年予想PSR(株価売上高倍率)3倍を適用し、目標株価を引き上げた。
レーティング面の潜在的なリスク要因としては、国内の競争激化、地政学的リスク、インド政府との課税絡みの対立のほか、国内財政刺激策の効果が予想を下回る可能性を挙げている。