今日の為替ウォーキング

今日の一言

人生の大きな目的は知識の向こうにある行動である 

Eat The Rich

 FRB(米連邦準備制度理事会)はわずか1年でインフレ率を9%から3%に下げることに成功した。しかし、ここからFRBの目標とする2%まで下げる「ラストマイル」は、今までの倍の時間がかかるだろうといわれている。中央銀行は、インフレ率の下げ止まりを理由に、なかなか利下げに踏み切れずにきた。途中で引締め状態をやめてしまうと、インフレが再発することを恐れていたからだ。

 ところが、インフレのラストマイルはとぼとぼ歩きではなく「全力疾走」になる可能性が高まっている。一時の耐久財インフレは今ではデフレに切り替わっている。米国では大型液晶TVの値段が急落した。NZでは、RBNZ(NZ準備銀行)が、国内インフレ率が想定以上のペースで下落していることを懸念している。スウェーデンの中央銀行は、年内にあと0.75%の利下げを検討している。

 米労働省が14日発表した7月のCPI(消費者物価指数)は、前月比0.2%上昇し、6月の0.1%低下から反転した。運輸サービスと宿泊費の上昇がインフレ率を押し上げたが、これは先月に大幅低下したことの反動で、予想の範囲だった。注意したいのは、OER(所有者居住相当家賃)が0.36%上昇したことだ。上昇幅は数年間のペースを大きく下回っているものの、先月の0.28%上昇よりはかなり速い。OERが下落しなければ、FRBがインフレ率を2%に戻せる可能性は難しいと言われている。

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 CPIの前年比は2.9%上昇し、伸びは前月の3.0%から鈍化した。前年比上昇率は2021年3月以来(約3年半ぶりに)、初めて3%を下回った。食品とエネルギー成分を除くコアCPIは前月比0.2%上昇した。6月は0.1%上昇だった。前年比では3.2%上昇と、伸びは前月の3.3%から縮小し、21年4月以来の低水準となった。

 7月CPIは、 構成内容の一部には下げ止まりも見られ、決定打に欠けたが、全体としてはインフレ率鈍化を示す「良い」内容だったといえる。しかし、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)までには雇用統計と消費者物価指数はもう1ラウンドある。また、統計的理由から、10月以降のCPIは反転上昇する可能性があることはFRBも認識しているので、注意が必要だ。

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今週の注目経済指標

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今日の重要ブレークアウトレベル

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コーンチャート分析

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