円安は終わる?

 トランプ氏はかつて、円安を厳しく批判していました。現在、為替への言及は少ないですが、「ドル高は問題」という考えは変わっていません。トランプ氏が円安批判を再開すれば、円高転換をさらに進む可能性もあります。

 トランプ氏は2018年に、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げを厳しく批判していました。大統領在任中は、恒常的に利下げを要求していました。現在、FRBに利下げを求める発言はしていませんが、大統領に再選してから、利下げ要求を再開する可能性があります。

 米景気は足元、減速しており、9月には利下げが実施されるのが確実視されています。それに加えて、日銀が利上げする可能性もあります。トランプ氏再選があってもなくても、短期的に円高が進む可能性があり、日本の自動車関連セクターにマイナス影響が及ぶ可能性があります。日本の自動車業界は、円安によって大きな恩恵を受けているからです。

  トヨタ自動車は、今期1ドル=145円を前提に、純利益が前期比28%減の3兆3,700億円になると、保守的(低め)な会社予想を出しています。いくらか円高が進んでも、業績予想の下方修正につながる可能性は低いと考えられます。

トヨタ自動車の連結純利益推移

出所:同社決算資料より楽天証券経済研究所が作成

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