7月参院選前の政府の対応に注目!

 しばらくは、FRBのタカ派姿勢によって円安地合いが続くと思われますが、4月になって日本の物価が2%を超えてきた時に、日銀はどのようなスタンスを取るのか注目です。また、その頃には7月の参院選を控えている政府が物価上昇と円安環境に対して神経質になっているかもしれません。政府がどのような動きに出るのかにも注目です。

 日銀が金融政策で動かなくても、政府は円安を止める方法として為替介入という政策手段があります。為替介入は日銀の専管事項ではなく、財務省です。財務大臣の権限において実施され、日銀は財務大臣の代理人として、その指示に基づいて為替介入の実務を遂行します。

 3月18日、松野官房長官は午後の会見にて、為替市場で円安が進んでいることについて、「為替市場の安定は重要であり、急速な変動は望ましくない」と語り、今後も為替市場の動向や日本経済への影響を注視していく考えを示しました。

 また、日銀が17~18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和政策を維持したことについては、「具体的な金融政策の手段は日銀に委ねられている」とした上で、「日銀には政府との連携のもと、必要な措置を適切に講じていくことを期待している」と述べました。

 これらの発言に対して為替市場はあまり反応しませんでしたが、足元の円安進行に対して政府は注視していることをマーケットに知らしめたけん制の第一声であることは間違いありません。また、日銀、あるいは黒田総裁に対するけん制の意味もあるかもしれません。

 今回は、政府からのけん制発言に対してあまり反応しませんでしたが、政府の言動には今後も注目していく必要があります。