小型成長株は値動きが荒い 

 株式投資の醍醐味は、なんと言っても、成長株だと思います。割安株をコアにしつつ、小型成長株投資にもトライしてみて良いと思います。

 ただし、小型成長株は投資タイミングが悪いと、短期的に株価が大きく下がることに注意が必要です。以下、典型的な小型成長株の値動き(イメージ図)をご覧ください。赤い星印のところで投資しないよう、注意が必要です。

 私は、株価が調整している成長株に投資することで、高値づかみのリスクを減らすことを考えるべきだと思います。

小型成長株の株価変動(イメージ図)

出所:筆者作成

上のグラフでは、成長株の株価変動イメージを、3つの時期に分けて描きました。

【1】黎明期:成長期待があるがまだ利益がほとんど出ない時期
【2】成長期:利益が大きく成長する時期
【3】成熟期:最高益更新が続くものの、増益率が大幅に鈍化する時期

 東証マザーズなどに上場している成長期待株には、今年、株価調整が続いている銘柄が多数あります。BASE(4477)メドレー(4480)など、今年は株価が下がり続けていますが、投資タイミングが近づいていると判断しています。

 ただし、これら新興企業は成長のビジネスモデルが崩れる場合もあり、売上拡大が今後も続くか、慎重に見ていく必要があります。

 BASEはネットショップ開設サービスを中心に売上を拡大し前期(2020年12月期)に5.8億円の黒字に転換しました。

 しかし、今期(2021年12月期)は先行投資拡大で再び▲14.3億円の赤字転落の予想を発表したため、株価は昨年10月の高値(3,448円)から大きく下がり、7月19日には1,537円まで下がっています。先行投資が実を結ぶ来期(2022年12月期)以降に期待して、投資タイミングをはかるべきと考えています。

 メドレーは、医療系人材派遣で利益を伸ばしてきましたが、オンライン診療ビジネスの立ち上げなどで先行費用が発生するため今期(2021年12月期)の純利益が減少することが嫌気され、足元、株価が下がっています。

 昨年高値7,370円から7月19日には4,390円まで下がりました。オンライン診療ビジネスが将来拡大する期待もあり、投資タイミングが近づいていると考えています。

 なお、メドレーは、瀧口浩平氏と豊田剛一郎氏が共同創業した医療系ベンチャーですが、豊田氏が2月に週刊誌で不祥事が報道されて代表取締役を辞任したことも悪材料となりました。

 現在、瀧口氏が代表取締役に就任し、豊田氏は取締役に留まっています。この問題が経営に及ぼす影響が懸念されましたが、今後の成長戦略への影響は軽微と考えています。

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