利益の計算を総平均法と移動平均法から選択できる

 暗号資産を売っていくら利益が出たかは、自分で計算しなければなりません。上場株式のように、特定口座といった便利なものは今のところ存在しません。

 実は、利益の計算方法(厳密にいえば、売却した暗号資産を取得した費用の計算方法)には、「総平均法」と「移動平均法」の二つがあり、どちらかを選択することができます。

 個人投資家の場合、税務署に何も届け出しなければ自動的に総平均法を使うことになります。もし移動平均法を使いたいのであれば、定められた期日までに税務署に届出書を提出する必要があります。

 この総平均法と移動平均法、具体的な計算については冒頭に紹介した国税庁ウェブサイトのFAQに載っていますので、そちらをご覧ください。

 総平均法と移動平均法の何が違うかといえば、総平均法は1年が終わってみないといくら利益が生じたかが計算できないが、移動平均法は売却の都度利益が計算できる、という点が大きな違いです。

 もし、暗号資産の利益は移動平均法で計算したい、という方は、先ほどの国税庁ウェブサイトにも掲載されている、「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」もしくは「所得税の暗号資産の評価方法の変更承認申請書」を提出してください。提出期限は両者で異なりますので、ご注意ください。