2020年の日経平均予想を再掲

 1~2月に日経平均が2万3,000円まで下落することは、私が昨年12月30日に作成した予想に、織り込み済みです。以下に、12月30日に作成した日経平均予想を、再掲します。

2020年日経平均予測:2019年12月30日時点

出所:楽天証券経済研究所
※2018~2019年は実績、2020年は筆者予想

 12月30日に出した予想では、「1~2月の日経平均は下落が予想される」としています(全文をお読みになりたい方は、レポート末尾の、著者おすすめのバックナンバーをご覧ください)。昨年10~12月の日経平均および世界の株式の上昇ピッチが速すぎたからです。

 昨年10~12月は、先行きの世界景気回復を織り込んで世界株高が起こったとみています。米中対立の緩和と、5G(第5世代移動体通信)・半導体への投資が世界的に盛り上がることによって、2020年4月ころから世界景気が回復することを織り込みつつあったと考えています。5G、半導体関連株は、特に値上がりが目立ちました。

 ただ、それにしても、10~12月の株高のピッチは速すぎました。そのため、1・2月はスピード調整が必至と考えていました。

 ただし、昨年末時点で、「新型肺炎が中国景気に追い打ちをかける」ことまでは想定していませんでした。新型肺炎の影響で、中国景気が底入れする時期は後ずれすると考えられます。1~2月の日経平均の下値は、2万3,000円と予想していましたが、新型肺炎の影響を考慮すると、2万2,000~2万2,500円まで下がる可能性が出てきたと考えます。

 ただし、日経平均が2万3,000円を割れれば、そこは長期投資で日本株の良い買い場になると判断しています。日本株は、配当利回りや買収価値から見て、割安と判断しているからです。短期的な下値がいくらになるか予想するのは困難ですが、ここからの下落局面は、日本株は押し目買いスタンスで臨むべきと考えます。