受け取り始める年齢は「60歳」で据え置きか

 一方で、65歳まで積み立てられるなら、受取開始も65歳以降に繰り上げられるのでは、と心配する人もあるかもしれません。

 現行法では、次のルールとなっています。

・60~70歳までの間に受け取り手続き
・70歳で未受け取りの場合は一時金で受け取り(強制的に)

 これを「75歳まで受取開始の範囲を広げよう」という案は示されていますが「60歳から65歳へ引き上げよう」という案は含まれていません。

 老後の生活は多種多様ですから、個人の選択肢を狭めないという観点で、「60~75歳までの間で受取開始」という議論になっているようです。

 確定拠出年金の法案が提出された2000年頃には誰も「100歳人生」ということはイメージしていませんでした。時代の変化に応じて、受け取りの幅を広げるのはいいことです。この法改正は、「60歳」を残す方向でぜひやってほしいところです。