NYダウは3カ月半ぶりに最高値を更新

 NYダウの最高値更新が続いていることも、日経平均の外国人による買い戻しを呼ぶ要因となっています。10月30日に今年3回目の米利下げ【注】が実施されたこと、11月1日に発表された10月の米雇用統計で米景気堅調が再確認されたこと、ことなどが、NYダウ上昇の支援材料となっています。

【注】今年3回目の米利下げ
10月30日、米FRB(連邦準備制度理事会)は政策金利であるFF金利の誘導水準を1.75~2.00%から、1.50~1.75%へ0.25%引き下げ

 11月4日のNYダウは、前週末比114ドル高の2万7,462ドルとなり、3カ月半ぶりに最高値を更新しました。

NYダウ週足:2018年初~2019年11月1日
 

出所:楽天証券経済研究所

 簡単に、2018年以降のNYダウの動きも振り返ります。2018年中は、日経平均とほぼ同じ動きですが、2019年の上昇が日経平均とは大きく異なります。

【1】2018年1~9月:世界まるごと好景気
 好景気でも米金利上昇・米中貿易戦争への不安で、NYダウは上値重い。

【2】2018年10~12月:世界景気悪化
 米中貿易戦争の影響で世界景気が悪化。NYダウ急落。12月に、2018年に入って4回目の米利上げが実施されたことも逆風。

【3】2019年1~10月:米中対立緩和の期待
 米利下げが3回行われたこと、米景気はやや減速するも堅調であること、米中貿易戦争が緩和に向かう期待があることが追い風となって、NYダウは急反発し、史上最高値を更新。