健闘する日本のGDP

 一方で、日本のGDPはドイツと比べて健闘しています。

 8月9日に発表された日本の4-6月期GDPは実質年率で+1.8%となりました。民間予測の中にはマイナス成長もあったため、前期1-3月期GDP(+2.8%)から減速したとはいえ、大健闘です。この数字だと、日銀の追加緩和は期待通りにはいかないかもしれません。欧米の中央銀行が金融緩和の方向に動いている中で、日銀が同じ方向になびいていないとマーケットが判断すれば、円高圧力になる可能性があるため、留意しておく必要があります。

 参考までにIMF(国際通貨基金)が7月に公表した2019年の日本の成長率見通しは0.9%です。また、日銀の7月時点の2019年度成長見通しは、4月時点の0.8%よりも下方修正されて0.7%となっています。そして、内閣府が7月29日に公表した2019年度の成長率見通しも、1月時点の1.3%から0.9%へと下方修正。日銀も内閣府も見通しを下方修正しましたが、それでも民間予測の平均0.5%程度と比べると強気の数字となっています。

 そして足元の四半期のGDPは、それよりも強い数字となっています。

 設備投資が予想よりも大きかったことと、外需寄与度のマイナス幅が予想よりも大きくならなかったことが背景にあるようです。しかし、これは「出来過ぎ」との見方もあるため、9月9日に公表される改定値(2次速報)には注目しておく必要があります。

 日銀の金融政策決定会合開催は9月18~19日のため、改定値が下方修正されると日銀への追加緩和期待が再び高まるかもしれません。