「長短金利逆転」継続、先行きの利下げを織り込み済み
FF金利(政策金利・短期金利)と長期金利の足元の水準を見ると、2006~2007年と同様、長短金利逆転(短期金利が長期金利よりも高いこと)が起こっています。6月19日のFOMCでは、利下げ(FF金利誘導水準の引き下げ)は見送られましたので、長短金利逆転が放置されたままです。
米政策金利(FF金利)および長期金利(10年国債利回り)推移:2004年1月~2019年6月(21日まで)
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長短金利逆転は、「先行きの景気悪化・利下げ」を示唆していると言われることがあります。実際2006~2007年に長短金利が逆転した時は、まだ米景気が好調でしたが、その後、08年にリーマンショックが起こり、長短金利とも急低下しました。
2019年になって「長短金利逆転」が起こったときも、当初は、「米景気悪化」の兆しととらえられ、NYダウが売られる要因となりました。
ただし最近は、長短金利逆転をそのように悲観的に見る向きは減りました。FRBは2018年に4回利上げしましたが、それが政策ミスだったと考えられています。米コア・インフレ率が2%前後に留まっている中で、FF金利を無理に引き上げ過ぎたため、長短金利逆転が起こったと見られています。
米コア・インフレ率および平均賃金上昇率の推移:2011年1月~2019年5月
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FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げするのは、7月30~31日のFOMCになる可能性が高いと思います。ただし、1回利下げしただけでは、長短金利逆転は解消されません。FRBが示唆したのは「年内1回」の利下げですが、長短金利逆転を解消するためには、年内2~3回の利下げが必要な状況です。
米長短金利(10年・2年・3ヶ月金利)の推移:2018年1月2日~2019年6月21日
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