空売りのリスクを軽減させるために注意すべきことは

 空売りをする際に注意すべき点を以下にまとめておきます。これらの点に気をつけていれば、空売りのリスクを大幅に低減させることができるはずです。

空売り残高が多い銘柄や売り長の銘柄には手を出さない

 空売り残高が多い銘柄や売り長(うりなが=信用買い残高より空売り残高の方が多い)の銘柄への空売りは控えましょう。信用買いは最終的に売り返済しますので将来の売り圧力になります。その逆に空売りは最終的に買い返済するので将来の買い圧力となります。

 そのため、空売り残高が多かったり、売り長であるということは潜在的な将来の買い需要が強いことになります。こうした銘柄には、買い仕掛けを行って空売りの踏み上げ(空売りをしている投資家の損失覚悟の買い戻しにより株価が上昇すること)を狙うような動きもよくみられます。

 なお、空売りを実行したときは売り長の状態ではなく空売り残高も少なかった場合でも、その後空売り残高が大きく増加してくることもあります。そんなときは早めの手じまいを心がけるようにしましょう。

発行済み株数が多く、流動性の高い銘柄で実行する

 思惑が外れて損切りにより撤退するとき、流動性が低い銘柄だと時価よりかなり高い価格でないと買い戻しができない可能性が高まります。また、好材料が明らかになった場合は連日ストップ高でいつまでも買い戻しできない、という最悪の事態も起こり得ます。

 一方、流動性の高い銘柄は株価の値動きが比較的ゆるやかなため、いつでも時価近辺の価格で買い戻しができますし、万が一株価にプラスの好材料が出たとしても、いつまでも買い戻しできないということはほとんどありません。