トランプ氏公約の不安材料

 米国の3指数をもっと長い期間で見ると、以下の通りです。

米国ナスダック総合指数、S&P500、NYダウの月次推移:2016年末~2024年11月(8日)

出所:2016年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所作成

 米国株は、2022年のインフレ・米金利上昇ショックを乗り越え、再度、上値トライの動きとなっています。トランプ氏勝利のお祭り騒ぎの中、米国株上昇が加速していますが、上昇ピッチが速過ぎることに、不安があります。

 気になるのは、米国株式市場が、トランプ氏公約のプラス材料ばかり見て、動いていることです。トランプ氏公約には、輸入関税の大幅引き上げ、パリ協定からの離脱、不法移民の強制送還など、本当に実施したら、政治経済面で混乱を招き、株式市場にとってマイナスになる可能性が高い項目もあります。

 今後、米国株式市場が、トランプ氏勝利のネガティブ材料をどうこなしていくか、慎重にウオッチする必要があります。

 明日、トランプ・リスクについて私の考えを詳しく解説します。

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