9月株主優待 人気ランキング

順位 コード 銘柄名 優待品例 優待発生金額※1
1 9202 ANAHD 運賃・料金割引券など 286,100
2 9201 日本航空 運賃割引券など 241,100
3 9831 ヤマダHD 買い物割引券 45,100
4 4661 オリエンタルランド 1デーパスポート 410,400
5 9104 商船三井 フェリー運賃割引券など 481,600
6 8173 上新電機 買い物割引券 2,751
7 7867 タカラトミー 自社商品購入割引など 327,300
8 7412 アトム 自社ポイント 73,200
9 3397 トリドールHD 飲食割引カード 382,200
10 2267 ヤクルト本社 自社商品など 303,600
※1優待発生金額 =2024年8月1日終値の株価 × 優待獲得最低株数で計算した金額です。

最新の情報は、楽天証券の「株主優待検索」>>

このランキングは楽天証券で優待を保有されているお客さまの人数が2024年7月29日時点で多い順番です。
この記事は銘柄を推奨するものではありません。
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2024年7月29日時点の終値や数値を、楽天証券Webサイトから採取して記載しています。
配当利回りは、楽天証券HPの会員ログイン後の銘柄ページより採用しておりますが、市況により変動するため、必ずご自身でご確認くださいませ。

9月の株主優待銘柄は382銘柄!

 2024年9月優待は、9月26日(木)が権利付き最終日、9月27日(金)が権利落ち日、土日を挟んで9月30日(月)が権利確定日です。

 お目当ての優待株を9月26日(木)までに購入し、翌27日(金)まで保有し続けると、株主優待の権利を取得できます。

 9月優待株は3月優待に次いで1年間で2番目に多い382銘柄です

※楽天証券 株主優待検索より

 ANAホールディングス(9202)日本航空(9201)の国内線航空運賃半額優待の人気が非常に高い月です。

 今回2024年9月末優待では、2023年4月1日に株式を5分割して100株を約41万400円で買えるようになった「東京ディズニーリゾート」運営のオリエンタルランド(4661)が4位に浮上しました。

 近畿地盤の家電量販店・上新電機(8173)が6位に初のランクイン。9月末株主は単位未満株の1株保有でも買い物割引券5,000円分が贈呈されます。

 10位には乳酸菌飲料メーカーのヤクルト本社(2267)が初登場。同社は好業績にもかかわらず、中国での販売不振などが株価の足を引っ張り、ここ1年間で株価が半値近くまで値下がり。底値買いを狙った優待投資家の買いで人気順位が上がったようです。

優待新設で株価急騰銘柄も!優待株の買い方

 個人投資家に安定株主になってもらいたい企業が株主優待制度を新設・拡充することで新たな人気株になるケースが増えています。

 2024年7月19日には千葉県などで認可保育園を運営するAIAIグループ(6557)が9月・3月末に300株保有でQUOカード1万5,000円分という超高額優待の新設を発表。

※2024年7月29日終値で計算して2024年9月末は投資金額約69万5,700円が必要。9月末の株式2分割後の2025年3月末以降は約34万7,850円。

 発表後の株価はストップ高を連発し、4営業日後の7月25日には約2.4倍の2,498円まで値上がりしました。

 高額優待を新設して株価が急騰し過ぎた銘柄に関しては、高額な優待品だけに目を向けるのではなく、業績面や優待権利落ち後(今回は2024年9月27日[金])の株価の下落リスクもしっかり考えて買うか買わないかを決めましょう。

 コロナ明け以降のインバウンド(訪日外国人)消費の拡大や製品・サービスの値上げ効果で、外食、小売、サービス業などに多い株主優待株は最近、株価が上り調子の銘柄も増えています。

 株価が高値圏にある優待株を購入する際は今後の成長性や業績などを十分吟味して、高値つかみに気を付けましょう。

 できるだけ安く買うにはどの価格帯に指値注文を入れればいいか、株価チャートを見て自分なりに考えることも大切です。

 一方、今回人気10位に入ったヤクルト本社のように株価が下がっている優待株もあります。株主優待株は長期保有が大前提ですから、好業績にもかかわらず機関投資家の需給などの問題で割安になった人気株はある意味、買い時といえます。

 過去の株価の安値などを月足チャートで確認して「ここまで下がったら買い」という待ち伏せの指値注文を優待権利月の数カ月前から発注。虎視眈々と底値買いを狙うのもいいでしょう。

 人気トップ10位以下で、業績や株価が堅調でお得な飲食・食品系の9月優待株には以下のような銘柄もあります。

  • 回転すし「スシロー」運営のFOOD&LIFE COMPANIES(9月・3月末に100株保有で飲食割引券1,100円分)
  • 郊外型回転すしチェーン「かっぱ寿司」運営のカッパ・クリエイト(9月・3月末に100株で飲食ポイント3,000円分。ポイントは居酒屋「手作り居酒屋 甘太郎」「北の味紀行と地酒 北海道」などコロワイドグループ店舗でも利用可)
  • 牛丼「すき家」などを運営するゼンショーホールディングス(9月・3月末に100株で1,000円分の優待食事券。優待券は「なか卯」「ココス」「はま寿司」などでも利用可)
  • カレーのルーで国内最大手のハウス食品グループ本社(9月・3月末に100株を半年以上継続保有で1,000円相当のグループ製品詰め合わせ)
  • ハンバーガーショップ「モスバーガー」運営のモスフードサービス(9月・3月末に100株で優待食事券1,000円分。3年以上継続保有で1,500円分に増額。優待券は「ミスタードーナツ」でも利用可)
  • 焼肉のたれや鍋スープ製造の食品メーカー・ダイショー(9月・3月末に100株で1,000円相当の自社製品詰め合わせ)

1位:ANA HD(9202)

権利付き最終月:9月、3月[貸借銘柄]
株価:2,861円(2024年8月1日終値)
配当利回り:1.75%
優待発生株数:100株以上
優待内容:100株以上で1枚(以下100株ごとに1枚増)、400株以上で4枚(以下200株ごとに1枚増)、1,000株以上で7枚(以下400株ごとに1枚増)、10万株以上で254枚(以下800株ごとに1枚増)の株主優待番号ご案内書。100株以上で自社グループ優待券1冊
その他条件:株主優待ご案内書は国内営業路線を片道1区間株主優待割引運賃で利用可(他航空会社が運航するコードシェア便に一部対象外路線有)。混雑状況により販売座席数に制限有。自社グループ優待券は1冊に以下(1)~(3)の共通優待券18枚、(4)・(5)は株主割引価格。(1)IHG・ANA・ホテルズグループジャパン(「インターコンチネンタル」「ANAクラウンプラザホテル」「ホリデイ・イン」「ホリデイ・イン リゾート」)割引:宿泊(ベストフレキシブル料金の室料のみ)20%割引、レストラン・バー飲食10%割引。一部適用除外ホテル有(2)ゴルフプレー料金割引:「武蔵の杜カントリークラブ」「早来カントリー倶楽部」(3)空港売店・免税店割引:「ANA FESTA」「ANA DUTY FREE SHOP」10%割引。一部除外店舗・商品有(4)国内・海外ツアー商品割引:「ANAトラベラーズ」国内ダイナミックパッケージ割引クーポン(旅行代金によりクーポン額は異なる)、海外ダイナミックパッケージ旅行代金(空港諸税を除く)から2%割引。同パッケージツアー(国内・海外)旅行代金から5%割引(5)株主限定通信販売<有効期間・発行時期>3月株主:6月~11月末(5月末発行)、9月株主:12月~翌年5月末(11月末発行)
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 9月優待株で一番人気が高いのは航空会社のANAHD。

 9月・3月末に100株保有で、国内全路線の片道1区間が半額程度に割引される株主優待番号案内書1枚が贈呈されます。

 2024年10月26日までの運賃表によると最も割引額が高額になるのは東京~石垣間で、ANA FLEXD(通常)が7万7,100円のところ、株主優待割引運賃(通常)だと半額の3万8,550円で搭乗できます。

 利用者の多い東京~札幌間はANA FLEXD(通常)4万5,300円が株主優待割引運賃(通常)だと2万2,650円、東京~福岡は4万9,800円が2万4,900円に割引されます。

 その他、ANAグループのツアー商品、空港内売店・免税店での買い物、提携ホテルの宿泊料金の割引を受けられるANAグループ優待券(優待クーポン18枚入り)も贈呈されます。

 同社はコロナ禍の大打撃から回復途上で2023年3月期に黒字転換、2024年3月期は大幅な増収増益を達成。ただ今期2025年3月期は燃料費の高騰や他社との価格競争もあり増収減益予想です。

 株価も2023年6月に3,510円の高値をつけた後、現在は2,800~3,000円台で推移。今後も海外旅行需要が回復し、インバウンド需要が地方路線へ拡大することを考えると、現状の株価は押し目買いに適した価格帯といえるかもしれません。

 予想配当利回り1.69%の株主配当をもらいながら長期保有すれば、株価の上昇にも期待できるかもしれません。

2位:日本航空(9201)

権利付き最終月:9月、3月[貸借銘柄]
株価:2,411円(2024年8月1日終値)
配当利回り:3.11%
優待獲得株数:100株以上
優待内容:3月のみ100株以上で各2枚、3月・9月とも200株以上で各2枚の旅行商品割引券(2~7%割引)。3月のみ、100株以上で1枚、300株以上で2枚、500株以上で3枚、700株以上で4枚、900株以上で5枚、1,000株以上で5枚(以下1,000株以上保有の場合、500株ごとに1枚増)、10万株以上で203枚(以下10万株以上保有の場合、1,000株ごとに1枚増)の株主割引券
その他条件:旅行商品割引券は、「JALパックツアー」で利用可(一部除外商品有)<発行時期>3月株主:5月、9月株主:11月。株主割引券は、3年以上継続保有(株主名簿に同一株主番号で連続7回以上記載)の場合、300株以上1,000株未満の株主には1枚、1,000株以上1万株未満は2枚、1万株以上は3枚追加。JAL、JAC、JTA、RACが運航する国内線全路線対象、普通席大人普通運賃(小児の場合は普通席小児普通運賃)1名分の片道1区間が50%割引。有効期間は3月のみ6月1日~翌年11月30日、9月のみ12月1日~翌々年5月31日
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 第2位は同じく航空会社の日本航空。

 同社の優待も国内線50%割引券の贈呈ですが、ANAHDに比べると株数に対して年間でもらえる割引券が半分程度になります。

 100株保有では3月末に1枚贈呈で、9月末にはもらえません。200株(投資金額約48万2,200円)で9月・3月末に1枚ずつ、計2枚が贈呈されます。

 国内や海外のダイナミックパッケージが3%割引になる旅行商品割引券も贈呈されますが、こちらも100株保有では3月末に海外旅行・国内旅行の商品割引券各2枚となり、9月末の贈呈はありません。

 同社はビジネス需要の回復やインバウンド拡大で国際線が好調。国内線中心の「ジェットスター」、国際線の「ジップエアー」など傘下のLCC(ローコストキャリア)3社も順調に成長し、今期2025年3月期も5円増配の1株当たり80円の株主配当を予定しています。

 予想配当利回りは3.31%に達しており、1位のANAHDに比べて、株主優待よりも株主配当を重視しているといえるでしょう。

 ただし株価は2023年6月に3,205円の高値をつけて以降、2,400円台まで下落中。いったん2,200~2,400円台で下げ止まるのを待ってから買うほうがいいかもしれません。

3位:ヤマダHD(9831)

権利付き最終月:9月、3月[貸借銘柄]
株価:451円(2024年8月1日終値)
配当利回り:2.88%
優待獲得株数:100株以上
優待内容:9月のみ、100株以上で2枚、500株以上で6枚、1,000株以上で10枚、1万株以上で50枚の優待割引券(500円)。3月のみ、100株以上で1枚、500株以上で4枚、1,000株以上で10枚、1万株以上で50枚の優待割引券(500円)
その他条件:合計1,000円(税込)以上の買い物につき1,000円ごとに1枚利用可(一部対象外有、他の値引き券との併用不可)
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 第3位は家具・住宅販売も行う家電量販店のヤマダホールディングス。

 100株保有で9月末に買い物割引券1,000円分、3月末に500円分、年間1,500円分が贈呈されます。

 割引券は税込の買い物額1,000円以上につき1,000円ごとに500円分の割引券1枚を利用可能。「ヤマダウェブコム」などの通信販売には利用できません。

 優待額が比較的少額なのに人気が高いのは、100株を約4万5,100円という少額資金で購入できるからでしょう。

 同社は家電販売の不振で長らく減収減益が続いていましたが、今期2025年3月期は販売好調な家具、インテリア、リフォームなども扱う新業態の大型店「LIFE SELECT」の新規出店が相次ぎ、増収増益予想です。

 株価は緩やかな下落トレンドが続いています。しかし、2024年以降は420~470円台の狭い価格帯で横ばい推移。今後も家具・リフォーム需要を取り込んで好業績が続けば、株価が本格的な上昇に転じる可能性もありそうです。

4位:オリエンタルランド(4661)

権利付き最終月:9月、3月[貸借銘柄]
株価:4,104円(2024年8月1日終値)
配当利回り:0.32%
優待獲得株数:100株以上
優待内容:9月のみ、100株以上で1デーパスポート1枚。3月のみ、500株以上で1枚、2,000株以上で1枚、4,000株以上で2枚、6,000株以上で3枚、8,000株以上で4枚、1万株以上で5枚、1万2,000株以上で6枚の1デーパスポート
その他条件:「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」いずれかで利用可。9月のみ、2023年9月より起算して、100株以上を3年以上継続保有(3月・9月の株主名簿に連続7回以上記載)した株主のみに贈呈
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 第4位は「東京ディズニーリゾート」を運営するオリエンタルランド。

 通常優待で9月・3月末に「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」いずれかで利用可能な1デーパスポート1枚(年間2枚)が贈呈されるのは2,000株(投資金額約820万8,000円)から。500株(投資金額約205万2,000円)保有で3月末のみ1デーパスポート1枚贈呈になります。

 いずれにしても高額な投資資金が必要で、通常優待の取得は難しいといっていいでしょう。しかし、9月末に100株以上を3年以上継続して保有すると、100株でも1デーパスポート1枚が毎年12月に贈られる長期保有株主向け優待制度もあります。

 同社はこれまで株価の長期的な上昇が続いてきたこともあり、今後も3年間長期保有すれば過去の実績から見ると、かなり大きな値上がり益も期待できそうです。3年以上長期保有した「ご褒美」として、1デーパスポート1枚が贈られるわけですから、ディズニー好きな人には100株3年以上の長期保有をおすすめします。

 同社は前期2024年3月期に過去最高の売上高と利益を更新。今期も好調なインバウンド需要や東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」開業もあって増収増益予想です。今後は新たに立ち上げるクルーズ船事業が成長源になりそうです。

 株価は長期的に見た上昇トレンドのちょうど下限あたりに位置しているため、押し目買いに適した価格帯といえるかもしれません。

5位:商船三井(9104)

権利付き最終月:9月、3月[貸借銘柄]
株価:4,816円(2024年8月1日終値)
配当利回り:4.57%
優待獲得株数:100株以上
優待内容:100株以上で2枚、1,500株以上で4枚、3,000株以上で6枚の「にっぽん丸・MITSUI OCEAN FUJI」クルーズ優待券。9月のみ、100株以上で1枚、1,500株以上で2枚、3,000株以上で3枚の「さんふらわあ」フェリーサービス共通クーポン券(5,000円分)。3月のみ、300株以上で3,000円相当のクルーズ船・フェリー寄港地にちなんだ地域名産品など
その他条件:「にっぽん丸・MITSUI OCEAN FUJI」クルーズ優待券は、1枚で1名1クルーズにつき10%割引、最大2枚(20%割引)まで利用可。ただし、30日以上のクルーズは1枚で3%割引(最大2枚で6%割引)。他の割引制度との併用については予約時要確認。「さんふらわあ」フェリーサービス共通クーポン券は、1枚で大人1名1乗船に利用可(小児運賃、貨物運賃や法人料金には適応外)。他の割引制度との併用については予約時要確認。地域名産品などは、自社オリジナルカタログより選択。300株以上を2年以上継続保有した株主のみに贈呈
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 第5位は海運大手の商船三井。

 9月・3月末に100株保有で同社のクルーズ船「にっぽん丸」「MITSUI OCEAN FUJI」(運航開始は2024年12月予定)の旅行代金10%割引券2枚(30日以上のクルーズについては3%割引)が贈呈されます。1クルーズにつき割引券2枚まで利用可能です。

 9月末には100株保有で、茨城県大洗~北海道苫小牧、大阪~別府・志布志、神戸~大分を結ぶフェリーサービス「さんふらわあ」の片道大人運賃が5,000円割引となるクーポン券1枚も贈られます。

 さらに3月末に300株(投資金額約144万4,800円)以上を2年以上継続保有すると、同社のクルーズやフェリー事業にちなんだ地方名産品をセレクトしたオリジナルカタログから3,000円相当の商品を選べます。

 同社は主力の自動車船、油送船が好調で、スエズ運河で多発するテロのせいもあり、コンテナ船の運賃も回復。2024年7月31日には減益予想だった今期2025年3月期の純利益を前期比28%増益に上方修正するとともに大幅な増配を発表しました。

 予想配当利回りが3.94%に達する高配当割安株であるため、高値圏にある株価に再び弾みが付きそうです。高配当を目的に300株を3年以上継続保有して、地方名産品3,000円相当の長期保有優待を狙うのもいいでしょう。