※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の土信田 雅之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「【テクニカル分析】今週の株式市場 目先の相場は「上げやすい」?~相場環境の微妙な変化には注意~」
国内大型連休の「谷間」だった先週の株式市場ですが、3営業日の中で迎えた週末5月2日(木)の日経平均株価終値は3万8,236円でした。
週足ベースで2週連続の上昇、前週末終値(3万7,934円)比では302円高となり、ここ2週間の上げ幅は1,168円です。日経平均が大きく下落した4月15日週の下げ幅(2,455円)と比べると、47%ほど値を戻した格好となっています。
今週の相場もこうした流れを引き継いで、株価の戻りを試せるかが焦点となりますが、まずはいつものように、足元の状況から確認していきたいと思います。
先週の日経平均は動きづらい中、株価浮上のきっかけを探る展開
図1 日経平均(日足)とMACDの動き(2024年5月2日時点)
上の図1で先週の日経平均の値動きを振り返ると、国内連休の谷間で3営業日となる中、75日移動平均線と3万8,000円水準が意識される展開となりました。
ローソク足の形状についても、3本とも陽線(終値が始値よりも高い線)で、売りよりも買いの方が優勢だったことや、下段のMACDの傾きもわずかではありますが、上向きを保っており、チャートの第一印象からは、積極的ではないものの、相場の復調がうかがえます。
それと同時に、先週の日経平均の株価位置は、先ほどの3万8,000円水準や75日移動平均線以外にも、3月7日と3月22日の高値を頂点とした「ダブル・トップ」におけるネックラインのところでもあります。
そのため、今週の日経平均は現在の株価位置から上放れし、さらなる戻りを試せるかが注目されるわけですが、その可能性の有無については、国内株式市場が休場だった米国株市場の動きについてもチェックする必要があります。
米国株市場は「株価調整の一巡感」が強まり、上昇しやすい?
そこで、先週の米主要株価3指数(NYダウ、S&P500、ナスダック)の動きも見ていきます。
図2 米NYダウ(日足)の多重移動平均線、線形回帰トレンド、MACD(2024年5月3日時点)
図3 米S&P500(日足)の多重移動平均線、線形回帰トレンド、MACD(2024年5月3日時点)
図4 米NASDAQ(日足)の多重移動平均線、線形回帰トレンド、MACD(2024年5月3日時点)
上の図2から図4は米主要株価3指数(NYダウ、S&P500、ナスダック)の日足チャート上に多重移動平均線と線形回帰トレンドを描き、下段にMACDを表示させたものです。
この3つのテクニカル指標でトレンドの変化や強さを読み取っていきます。
図2から図4で共通しているのは、「足元の株価上昇で多重移動平均線の束を上抜けてきた」ことをはじめ、「MACDが上向きに転じ、シグナルも上抜けてきた」こと、そして、「4月からの株価下落で線形回帰トレンドのプラス1σ(シグマ)からマイナス2σあたりまで下落し、足元ではマイナス1σを目指して反発している」ことです。
いずれも、4月の株価調整が一巡し、株価の戻りに勢いが出つつあることを示している印象のため、こうした米国株の動きが続けば日本株にとってもプラスの影響を与えそうです。