世界のGDP
前の例では、「パン作りの経済」を例として取り上げましたが、日本という1つの国のGDPを計算する時には、あらゆる業界のすべての企業・個人事業主のGDPを合計することになります。
例えば、トヨタ自動車であれば自動車の部品を購入し組み立てて販売することで、世の中に付加価値を提供しているわけです。
売上があって、従業員にお給料を払って、部品の調達費用があって、残りが企業としてのもうけ(利益)となります(話をかなり単純化しています)。
このように、1つの国のGDPは計算されていくのですが、それら世界各国のGDPを合計すると世界のGDPを計算することができます。世界のGDPが過去どのように推移してきたのか、確認してみましょう。
まず1960年から1980年の20年間の世界のGDP推移です。20年間で8倍近くにGDPが成長していることが分かります。
1980年(つまり、グラフの右端)時点にいた人は、「もうそれほど世界のGDPは成長しないのではないか?」と思ってしまうかもしれませんが、その次の20年を追加したグラフが次のようになっています。
その後、1980年から2000年の20年間で、さらに3倍くらいに成長しています。
そして、その後のグラフが次のものです。
2000年ごろに横ばいで推移していましたが、その後も成長を遂げ、GDP上はリーマンショックがほとんど誤差にしか見えないくらいの減少になっており、2018年まで成長を維持しています。
つまり、世界のGDPがこれだけ成長してきたということは、世界の幅広い株式に分散して投資していた(株式を所有してきた)ら、このような形で株主としての収益を得られたということになります。
株価はこの間も、上がったり下がったり、激しく動いていたこともあると思いますが、株主として長期的に保有を継続していれば、株主に分配される価値をきちんと受け取り続けられたわけです。
かなり長くなってしまったので、「パン作りで学ぶGDP入門」は以上とさせていただきます。
ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 横田健一さん Twitter @ken1yokota でも情報発信中! |